Vomit

Still Rotting

Comp(2007)/From:ノルウェー/Style:スラッシュ

vomit_comp

【Track】
1.Armies of Hell
2.Damnation of Sin
3.Dark Abyss
4.Rotting Flesh
5.Demonoid
6.Tormentor
7.Armies of Hell
8.Sadistic Mind
9.Rotting Flesh
10.Lord of Death
11.Lust of Terror
12.Damnation of Sin
13.Dark Abyss
14.Demonoid
15.Intro / Bloodshed
16.Sadistic Mind
17.ABR
18.Orgie of Piss
19.Animal Bizarre
20.Boiling Puke
21.Bloodshed
22.Failure

【Review】
3人組みスラッシュ・メタル。【Mayhem】に僅か数ヶ月という短い期間に在籍していたKittil KittilsenとTorben Grueが演っていたバンドであり、1985-87年まで作られたデモ・テープ及びリハーサル音源を一つにまとめたコンピレーション音源。尚、この有り難いコンピ音源のリリースはLyderhorn Recordsから。一応【Mayhem】関連のバンドだと言えるし、80年代におけるノルウェー・シーンのアンダーグランドに触れられる資料的価値がある音源だろう。

【Vomit】は数回に渡るバンド名変更と共にその都度、音楽性自体も異なっていた様であり、順を追っていくと【Kabel】(カバーバンド)→【Vomit】(スラッシュ・メタル)→【Børre og Bløderne】(パンク・ロック)→【Kvikksølvguttene】(デス・メタル)へと変貌していった。

さて、音の方なのだが濁声で吐き捨てるヴォーカルにザクザクと刻むリフ、ヒステリックに乱舞するリードギター、前のめりなドラミングと、基本的にはパンキッシュなスラッシュ・メタルを演っている。当時のアングラの熱気と衝動の発散といった感じの音源であり、当時にしてみればかなりのエクストリームな音源だったのだろうと想像に難しくないし、今聴いてもスピーディかつ生々しい勢いがあってカッコイイ。

何よりも、思ったより演奏がマトモ(笑)。

尚、#15以降の音源は専属ヴォーカルが脱退したらしく、Kittil Kittilsenがヴォーカルを執っているのだが、かなりヤケクソ気味になっており楽曲自体もデス/ブラックの様相を呈し始めているのも面白い。

先にも書いたように資料的価値の高い音源故に、名盤だとか名作だとかは無いが、80年代ノルウェーにおけるアンダーグラウンドの一端を覗きたければ耳を傾けるのも大いにありかと思う。