Wongraven


Fjelltronen

1STフル(1995)/From:ノルウェー/Style:アンビエント│フォーク

wongraven_1st

【Track】
1.Det var en gang et menneske
2.Over Ødemark
3.Opp under fjellet toner en sang
4.Tiden er en stenlagt grav
5.Fra Fjelltronen

【Review】
かつてMoonfog Productionsからリリースされていた【Satyricon】でお馴染みのSatyrことWongravenが演っていた懐かしのサイドプロジェクト。【Emperor】のIhsahn大先生が#2”Over Ødemark”で参加している事でも知られている。また、民族楽器を主に担当するHans K. K. Sørensenなる人物もこ作品に参加しているそうだ。

アートワークはブラック・メタル通にはお馴染みのキッテルセン画伯の絵を引用しており、大凡この絵画から得られるインスピレーション通り”広大な森”と”古城(または砦)”を連想させられる路線。

メタル的要素は皆無でシンセやアコギ、民族楽器などを駆使しながらダークエイジな北欧の情景を執拗に描いていく事に徹している。アトモスフェリックな場に流れる空気感や雰囲気のみで押すタイプではなく、より具体的な音で構成されているフォークロアなシンセ・ミュージックといった趣である。

Satyrによる民謡調のヴォーカルも一応は入り込むモノの#1”Det var en gang et menneske”及び#5”Fra Fjelltronen”にて出てくる程度であり、あくまでメインはインストが中心となっている。当然ながらメタルを期待すると火傷必死ではあるが、【Satyricon】の1ST~2ND辺りの世界観をフォーク/アンビエントで表現したかの様な完全無欠のメディーバル・サウンドとも言えるので、中世の仄暗い雰囲気が好きな人には正に打って付けのサウンドだろう。

尚、ラストで聴かれる鐘のサンプル音は【Darkthrone】の名盤Under A Funeral Moonに収録されていた”Crossing the Triangle of Flames”で使われているサンプル音と同じらしい。