Feature Articles 【特集記事】

–Vol.02–

 Emperor 2014/07/19 In Osaka

 Emperor

死ぬまでに観たかったバンドの内の一つ、そんな大物Emperorが目の前で観れる時まで後、僅か・・・。そう考えると前日は全く寝付けず、少々寝不足気味であった。まるでガキん時の遠足のような気分だ。前日の東京のセットリストをみる限り、Hell Fest 2014と同様の選曲。所謂、1STの完全再現+デモから2曲+Bathoryのカヴァー。どうやら1ST以降は演らないみたいである。アンコール後の選曲にちと違和感は感じる。何故、Bathoryのカヴァーで〆るのかよく分からん(笑)最低でもEmperorの持ち曲で〆て欲しかった様に思う。まぁ、夢にまでみたEmperorが間近で観れるのである。文句は言うまい。

早々に大阪は梅田に到着。たこ焼きとビールで腹を満たし、いざ会場へ。階段で待たされ数十分、ようやく会場入り。こんなに人が多いとは…個人的に経験したLiveだとPantera以来の反響っぷりである(アリーナ級のビッグ・アーティストは除く)

ともかく、ビールをかっこみ、物販を覗く。目当てはTシャツとSighのCD。欲しかったアルバム【Scenes From Hell】を購入。その時、物販していた外国人のお兄ちゃんが筆者のT-シャツを指差し、一言。(Marduk着ていった)

「来年、1月にMarduk来るよ」

マジか?結構、しれっと重大なこと言ってないか?(笑)帰ってネットで少しググってみたが今のところその様な情報が無いので真偽の程はワカラナイが、噂程度に留めておいた方が良いのか?信じちゃって良いのか?しかし、確かに物販の兄ちゃんがそう言ってた。コレが本当なら2015年の1月に来日すると言う事である。ホント、真偽の程はハッキリわかってないので

…噂程度に留めておこう。(鵜呑みにしないで下さい/笑)

思わぬ情報とCDをゲットできたので、満足しながら、いよいよ会場入り。場所を探すが既に人が一杯。後ろの方で観ようと思っていたが、思わず欲が出て一番前のフロアに移動。サモス側に位置取る事にした。待つこと数十分。ようやく、ゲストであるSighが登場。

※Live中の写真はございません。撮ってる暇あったら楽しみたかったので・・・あしからず。

Sigh

今回、SighのLiveは初体験。噂に聞く所によると、パフォーマンスが面白いとの事。

セットリスト
1.A Victory Of Dakini

2.The Transfiguration Fear
3.Purgatorim
4.The Soul Grave
5.Introitus Kyrie
6.Inked In Blood
7.Me-Devil

何やらステージ上に儀式風の置物が置かれている。ドクロと蝋燭?おぉ、コレは期待が膨らむ。演奏が始まると結構な音圧を持って暗黒の世界に引きずり込む。1曲目の途中で、黒いベールで包まれたDr Mikannibal嬢がゆらりゆらりと登場。妖しさ満点である。期待通り、小道具を使った儀式風のステージングは観ていて楽しい物がある。

新加入したギタリストも相当に巧い。ドラムもタイトで良かったし、川嶋未来氏のヴォーカルも何処か怪しさと胡散臭さ抜群で良かったと思う(失礼/笑)。終始、小道具、火等を使ったパフォーマンスは手品的な視覚効果もありスゲー楽しい。聖典が燃えたり首吊りロープ出てきたりでエンターテイメント色が強めである。カッコイイと言うよりかは、面白い。オーディエンスも初めて観る人が多かった様子でステージを食い入る様に鑑賞していた印象がある。

特にパフォーマンスに関してはDr Mikannibal嬢のインパクトがデカすぎで、身重の身体にボンテージファッション。しかもサックス演るわ、デスヴォイスで吠えるわ、血糊を被るわで圧倒された。安定期なんだろうけど胎児に絶対優しくないと思われる。最後のほうで、尻もち付いたりしてたけど大丈夫か?

ともかく、演奏力とパフォーマンスは言う事なしで非常に楽しいステージングだったと思う。音もバランスとれてたと思うし日本屈指のバンドだと言う事がハッキリと分かるパフォーマンスだった。個人的にはA Victory Of Dakiniと、ラスト3曲は大好きな曲だったので非常に楽しめた。特にA Victory Of Dakiniは後半のコーラスをDr Mikannibal嬢が演っていたのでアルバムとまた違う雰囲気があったと思う。(実際のアルバムでは男性コーラス)

こうして、全7曲を30分位?で駆け抜け終了。是非ともまた観たい!と思わせる内容だった。….つうか、あかんDr Mikannibal嬢に目を奪われすぎた(笑)

 

Emperor

遂にブラック・メタル界の皇帝、闇の魔術師、Emperorの登場である。この日を待ち望んでいた。

しかし、ここで企画のTrooper/宮本さんから突然アナウンスが入る。なんだか嫌な予感が過る。実はこの時、こっそりマイクを仕込んでいたので、残念なお知らせを音声でお伝えしよう。(少々問題ありそうだが、敢えて掲載します。問題あったら連絡下さい。)

聞いての通り…

Samothは病欠するという大変残念なアナウンスである。これは…アカンやろ。。

これじゃエンペラーもとい、半(ハン)ペラーですやん。。

個人的にも残念過ぎて呆然としてしまった。こんなん、マジで意味あんのか!?と。

そのアナウンスを聞いた時は本気で思ってしまった・・・・。

だが、しかし!しかしである!そんな残念な想いは一瞬のウチに掻き消される事になる。冒頭のアナウンスが終わり、直ぐ様、エンペラーコール!なんだか凄いパワーが会場から溢れでている。爆発寸前と言うのがピッタリ。始まる前からこの盛り上がり様・・・そして、終わってみて感じた事は、

Samothが欠番した穴埋めをしたのは間違いなく、
オーディエンスであり、見事にSamothの欠番をカバーしていたのである。

なんか、妙に感動したと同時にヴォルテージが一気に上がる。この一体感的な熱量は比較的、前の方にいたのでダイレクトに味わうことが出来た。そして、そんな熱気の中、Ihsahn(Vo,Gt)、Trym(Dr)、Secthdamon(Ba)、Einar(Key)が現れる。正直、この時、もみくちゃ過ぎて、気付いたらステージ上に居てた感じである(笑)そして、一曲目”Into the Infinity of Thoughts”が始まる・・・・。怒涛のLiveの始まりである。

セットリスト
1.Into the Infinity of Thoughts
2.The Burning Shadows of Silence
3.Cosmic Keys to My Creations Times
4.Beyond the Great Vast Forest
5.Towards the Pantheon
6.The Majesty of the Nightsky
7.I Am the Black Wizards
8.Inno a Satana
アンコール
9.Ancient Queen
10.Wrath of the Tyrant
11.A Fine Day to Die (Bathory cover)

一瞬でモッシュピットが出来上がりモッシュが始まる。以前、Emperor来日記念の記事で、筆者はモッシュするな!とか偉そうに書いたんだが….(理由はEmperorの1Stの楽曲でモッシュはどう考えても合わないだろうし、何よりも違うだろ!と思っていた。)今回はモッシュが意図的に起こったんではなく、自然とそうなったといった空気感が強かった様に思う。….うん、

コレはしゃーないわ。

あんな事を書いておいた手前、ちょっと納得の展開だった(笑)後ろの高い場所で観れば良かったなぁ~とこの時思ったのであった。ホント、ステージが全然見えねぇ(笑)筆者の身長をコレほど呪った日はない。。

一旦、落ち着きを取り戻すとようやくまともに観れる様になった。端っこで髪を振り乱し、一番激しく動いていた(笑)シンセを操るEinar、ベースを弾きながら野太い咆哮を効かせ、時折、扇風機のようにヘドバンするSecthdamon(しかも、エエ感じでベースが目立つ音が良かった!)、安定感抜群かつ評判通り無表情(笑)でタイトにプレイするTrym、そして、堂々たる威厳と知性に満ちたオーラを放ち、ギターを弾きながらカッコイイ、ヴォーカルを聴かせてくれるIhsahn。Samothが不在とは言え、目の前でEmperorが確かに演奏しているのである。コレはコレで感慨深いものがあり、ウルウルしてしまう。両手にメロイックサインを作り、高々に突き上げ、演奏に応え楽曲に酔った次第。まさにコレぞ!ってヤツである。

写真撮影など全く頭に無かったし、忘れてた。サイト管理人として失格だわ(笑)まぁ、正直、まともにレポ出来る程、冷静に観ていられなかった。

Samothが居ないのにも関わらず分厚い音でオーディエンスを席巻していたEmperorだが、特に印象に残ったのは、やはりI Am the Black WizardsとInno A Satana、この二曲に尽きるだろう。オーディエンスの大合唱(無論、半泣きで合唱したがな!)、盛り上がり、そして一体感と言い全てが最高だった。アレで感極まった人、多かったんではなかろうか?こういう時に音楽の力ってジャンル問わず、本当に凄いんだなぁといつも思う。そういった基本的な事がこの二曲に凝縮されていた様に思う。あかん、この記事を打っている今でも蘇ってきて涙腺が緩む(笑)

そして、一旦メンバーが捌けてアンコール。デモ時代の二曲とBathoryのカヴァーである。最後に持ってきたBathoryのカヴァーだがクリーンヴォイスで歌い上げるIhsahn。Einarもクリーンヴォイスでハモる。Ihsahnの速弾きも聴け、存分にテクニックを披露していた。これがかなりのインパクトで盛り上がると言うよりかは皆、聴き入ってた様に思える。こうして、Samoth抜きだが異様に盛り上がった大阪のLiveは終了。時間にして一時間弱、ホントに短く感じた。

今回、何よりもSamothの穴埋めをオーディエンスの盛り上がりでカバーし、Ihsahn、Trym、そしてSecthdamon、Einarが全力を出し切り、半ペラーどころか、しっかりEmperorとしてのショーを楽しめた様に思う。これで、Samothが居ればホント、完璧だった。確かに大成功で終わったかと思うし、大満足なのだが、後から思うとやはりSamothが居て欲しかったってのが本音である。フェイスブックで写真が上がってたのを見ると最近、凄く痩せた気もするし、日本の気候に合わなかったのかもしれない。どうか、安静にして大事には至らないで欲しい。そして、可能ならばまた、Emperorの一員として日本にカムバックして欲しいと切に願うのである。Samothの抜けは全員でカバーしたので、安心して欲しい。

おまけ

Liveが終わって、一息入れようと、友人と喫煙部屋でタバコを吸って、ゆっくりしていた。さて、帰るかぁ、と外に出ると会場の方に僅かに人溜まりが?ちょっと行ってみようと近寄ると、なんとIhsahnとTrymがサインをしているでは無いか!告知ナシのゲリラ・サイン会である(笑)気付くのが遅かった!こりゃ、ねだらなアカンやろ!と、サインして貰うブツが無いのでダッシュで物販に駆け込み、まだ買ってないIhsahnの”Das Seelenbrechen/精神崩壊”をゲット(笑)キャラメル包装を引きちぎり、ジャケにしてもらおうと必死に格闘していると・・・・

Ihsahnがスタッフに促され目の前で去っていった。

筆者は精神崩壊した。

Ihsahn
去りゆくIhsahn。

落胆するも、横にTrym発見!次こそは!残された時間は少なそうだ。しかし、今、手に持っているのはIhsahnのソロ・アルバム【精神崩壊】である。全くをもって筋違いだろ。慌てて鞄の中を漁ると入り口で貰ったフライヤーが目に留まる。ええい!コレしか無い!と適当に取り出しす。まるでドラえもんが異次元ポッケから道具を出している時の気分である。出てきたのはKnot Festのフライヤーだった(笑)裏は白紙だ、よしココだ!スタッフの「もう、時間です」と声が飛び交っていたが、Trymはギリギリまで終始、笑顔で粘ってくれてた印象だ。ええ人や、ホンマに。そしてギリギリ間に合い、サインと握手してもらった。これは一生の思い出である。

Trymサイン
そして貰ったのがコレ!

レポと言うほどのモノは出来てないし、最後まで拙い文章を読んでくれてありがとう。

Type:Evil