Almyrkvi

Pupil of the Searing Maelstrom

EP(2016)/From:アイスランド/Style:アトモスフェリック

Almyrkvi_1st

【Track】
1.Primeval
2.Shrouded in Blinding Light
3.Currents of Detestation
4.Feeding the Void
5.Pupil of the Searing Maelstrom

【Review】
Ván Recordsからリリースされた【Sinmara】のGarðar S. Jónssonが演っている独りブラック・メタル。セッションメンバーとして同じく【Sinmara】のメンバーが助っ人でドラムを叩いている。

余談だがアートワークには二種類あり、”Maelstrom edition”と”Blinding light edition”があり、それぞれジャケットの色味が違うらしい。因みに筆者が所有しているのはBlinding light edition。音源的な内容には差はない模様。

さて、アートワークからも大方想像できるのだが、宇宙空間やブラックホールといった人知を超えた宇宙の神秘にググっと邪悪に迫った作品だ。有名どころではスイスの【Darkspace】に近い世界観を持った路線である。

音の方は低く歪んだギターが鳴り響く中、そのギターの残響でアトモスフェリックな空気感を醸し出したり、あたかも宇宙空間に放り出され、独り当てもなく宇宙遊泳している様な宇宙的アンビエント・パートを取り入れてたりしている。

また、ミドル・テンポが主体である事からダークさが際立っており、ほんの少し重苦しいドゥーミーな味わいもあったりするのが特徴だろうか。更にヴォーカルの魔属性が割と高く、若干低めのガナり声をあげている部分もドゥーミーな部分に拍車を掛けている。

以上がこの音源の概要だが、一切光が差し込まない人知を超えた宇宙といった路線を真正面からキッチリと描いた作品になっている。故に目新しい部分はなく想像(期待値)を上回るといった事はなかったのだが、キッチリと世界観を描く硬派さや手堅さといった要素では確かなモノを持っている。

もし次回作があるのならフルレングスへの期待を抱かせるのには十分な作品になっていると思うし、宇宙の神秘と畏怖の念、そして孤独といったダークな雰囲気を好むなら一度試してみてはいかがだろうか。

派手な部分はまるでなく、どちらかと言えば地味だが、硬派な渋みはある。