Aequilanx

Demo(1997/2002)/From:フランス/Style:Raw│ブラック・メタル

【Track】
Side A
1.Great Final Justice
2.Black Revelation
Side B
3.Lunatic Curse
4.Caïn’s Black Spells

【Track】
このデモ1本のみを残してスピード解散してしまった5人組ブラック・メタル。元々は1997年にDrakkar Productionsからカセットでリリースされていたデモ音源がオリジナルとなっており、レビューしているのは2002年にEnd All Life Productionsから333枚限定(142/333)で再リリースされた4曲入り10’Vinyl盤である。筆者の記憶が正しければ大昔にT.H.Aさんから購入した記憶が薄っすらと残っている(笑)

尚、このバンドは【S.V.E.S.T.】のメンバーであるDarkkarmaとSpicaが在籍していた事で知られており1997年に解散した同年に【S.V.E.S.T.】を結成、ほぼほぼ前身バンドの様な存在なのである。因みに同郷に同じ名前のバンドが居てるが、そちらは【Asmodée】(eの上にアクセント記号が入ってる)なのでくれぐれもお間違いない様に。

さて、音の方はやたらとRawでつんのめる様な勢いがアツい、衝動と暗黒面が入り混じった様なブラック・メタルを演っており、後に【S.V.E.S.T.】に繋がっていくような要素もチラホラ確認できたりで【S.V.E.S.T.】の音源が気に入った方なら概ね気に入りそうな作品かと思われる。

ただ比べてみると、コチラはあくまで衝動性の高いアンダーグラウンドなメタルである事が大前提となっており、得体の知れないドス黒い邪悪さを中心に奏でるというよりかは、衝動性を重視した荒削りで勢いのあるバンド・サウンドが主体となっていると言えるだろうか。勿論、先にも書いたように不穏な空気を纏ったドス黒い部分なんかも兼ね揃えており、#2”Black Revelation”の途中で聴けるシンセを絡めた不気味な展開なんかはとても顕著、この作品中でもオススメの曲だ。

また非常に気合の入ったSpicaのヴォーカルも強力でねちっこい邪悪な絶叫と深いグロウルを使い分けるといった二面性により楽曲にネクロな感覚もあったりとアングラなブラック・メタルとして殺傷力が高い作品になっている。タマに顔を覗かせる不気味な音色をしたシンセや、ドタバタバッコンバッコンと極めてRawなドラミングがタマラナイ!(ドラムの音が個人的にモロに好み!)

【S.V.E.S.T.】の様な閉鎖的でインテレクチュアルな感じは控え目だが、邪悪で衝動的なアンダーグラウンドならではの熱気を帯びたスタイルなのでそういった路線が好きな方には間違いなくご馳走なのである。尚、国内で普通に買うにはちと厳しいかと思われるが見かけたら即ゲット推奨!