Az Esm Ogon


Svoevremenno i Blagomomentno

1STフル(2016)/From:ロシア/Style:ブラック・メタル

AzEsmOgon_1st

【Track】
1.Инвокация Хаоса (Intro)
2.Врата в бездну вечности
3.EA,Absu
4.Дорога знаний
5.Ритуал очищения

【Review】
Thundererなる人物が演っている独りブラック・メタルのデビュー・アルバム(レコーディングは2013年との事)。CDリリースはアメリカのBlack Metal Cult Recordsから。【Az Esm Ogon】はアルファベット表記であり、実際には【Азъ Есмь Огонь】とキリル文字で記載される。アルバム名もキリル文字だと【Своевременно и благомоментно】となるのだそうだ。

アートワークからも伝わってくる通り、ドス黒い雰囲気を持ったリチュアル系ブラック・メタルを演っている。

ドス黒く、どんよりとした焦燥感を煽るドゥーミーなパート、時にスリリングに疾走し緩急を付け、この手に求められる大凡の展開は内包しているであろう音源に仕上がっている。

また轟音の中に潜むメロディは、まるで運命に抗っていく様を描いた様な悲壮と哀愁が感じ取れ、なかなかグッときた次第。しかしながら、それらのメロウさはオカルティックな様式を壊してしまう程の大胆さでは無く、しっかりと暗黒美と共存しながらバランスを保っており硬派な印象を残している。

引き合いに出すなら【Deathspell Omega】から大きな影響を受けている路線と言えるだろうか。

尚、個人的なフェイバリット・チューンを挙げるなら#4”Дорога знаний”である。暗黒美に潜む悲壮と哀愁が特に際立っている楽曲であり、先にも書いた”運命に抗いその代償に悲壮する”といったイメージのメロディが最も顕著に現れた楽曲である(あくまで個人的なイメージ)。この路線に筆者は滅法弱い(笑)タマラン!

衝動で押し通すRawさ、というよりかは、じっくりと仕込んでくるタイプの音なので、是非とも練りに練った音源を期待したい。この先が非常に楽しみだ。Great!