Bestial Warlust

Vengeance War ‘till Death

1STフル(1994)/From:オーストラリア/Style:ウォー

bestialwarlust_1st

【Track】
1.Bestial Warlust
2.Dweller of the Bottomless Pit
3.Satanic
4.Heathens
5.Hammering Down the Law of the New Gods
/ Holocaust Wolves of the Apocalypse
6.Storming Vengeance
7.At the Graveyard of God

【Review】
5人組ブラック・メタル。Modern Invasion Musicからのリリース。元々は1990年に結成された【Corpse Molestation】なるデス・メタルバンドが前身バンドだったらしい。

さて、音源の方は”ウォー・ブラック”といったサブジャンルの中でも取り分けバンド名からアートワークまでバチッと音とイメージが合致しているバンドかと思う。目を閉じなくとも浮かび上がる戦いの挽歌…もとい蛮歌といった正にアートワーク通りの音。

重心が低く轟々と轟くリフ、時折、ヒステリックに乱舞するギターソロ、無骨に叩きつける無慈悲なドラミング、慈悲など持ち合わせていないバーバリアンの咆哮が響き渡る。この様にイメージとしては”肉を切らせて骨を断つ”様な捨て身の豪快さ、暴徒と化した野蛮人が怯える村人に対して一歩的な略奪と殺戮を繰り広げている様な極悪さを感じる音である(笑)

重心の低い轟々としたリフが迫り来る軍勢を連想させ、もはやこの手の様式美とも言える徹頭徹尾一本槍な楽曲も野蛮なイメージを強く抱かせるのに一役買っているのではなかろうか。

俗にいう【Blasphemy】直系だが数あるフォロワーの中でも最高峰かと思う。Great!

 

Blood & Valour

2NDフル(1995)/From:オーストラリア/Style:ウォー

bestialwarlust_2nd

【Track】
1.Blood & Valour
2.Death Rides Out
3.Prelude: Descention Hells Blood
4.Barbaric Horde
5. …’Till the End
6.Within the Storm
7.Legion of Wrath
8.Orgy of Souls (Hallowed Night)
9.I, the Warrior

【Review】
2人脱退し、1人加入、結果として4人組構成になった。脱退したK.K. Warslutはその後【Deströyer 666】を結成する。今作もModern Invasion Musicからのリリースだがスタジオ・フルアルバムとしては最後の作品となってしまう。

前作から殆ど変わっていない路線だが音質向上に加え、やや展開が増した感じで音にメリハリを感じられる作品となっている。ヒステリックなギターソロが前作より明らかに増えておりフックが増している様に思う。また無骨でドカドカと豪快であるといったこのバンドにおける基本的な印象を保ちつつ、ややスピードが上がっているので単純に疾走感が増しているところもポイントの一つだろう。ただ、殺伐としながら一方的に攻めている情景を醸すといった部分は全く変わっておらず指標しているであろう路線の安定感は抜群で何処を切っても野蛮な音源である(笑)

今、改めて聴くと音質面を含め、生粋のウォーブラックといった側面から言えば前作の方がピュアな感じはするのだが、路線はそのままで聴きやすくなっているのでウォー・ブラック入門としてなかなか優秀な音源では無かろうか?(如何せん古い作品なので入手の安易さを度外視するといった条件付きだが)

ともあれ前作と共にウォー・ブラック・メタルファン垂涎の逸品かと思う。Great!