Die Kunst Der Finsternis

Das Geheimnis des Vampirs

1STフル(2012/2013/2015)/From:チリ/Style:オールド・スクール│アトモスフェリック

Die_Kunst_der_Finsternis_1st

【Track】
1.Of Priests and Snakes
2.Flaming Hearts
3.In Tenebris
4.Raising Above the Angels
5.The Grand Mystery of Death
6.Holy Bloodstone (Devil)
7.Das Geheimnis des Vampirs / Oratorium

【Review】
チリ産【Bewitched】にも在籍していたFrater D.による独りブラック・メタル。フルとしては残念ながら最初で最後となっている。元はLamech Recordsが2012年にテープでリリースした音源であり、2013年に再びアナログで再発を経て、ようやく2015年待望のA5デジパックでCD化。

音の方はオールド・スクールなブラック・メタルにオカルト要素を混ぜ合わせた音源。基本的にオカルト由来の暗黒フレーバー(シンセやパイプオルガン、コーラス等)をトッピングしながら掻き鳴らしリフ、不穏なトレモロを重ねていく暗黒色の強いスタイルなのだが、曲によっては突如として古臭いスピード・メタル的で明快なリフが切り込んできたりして面白い。

一見、アートワークや出だしのイントロ等から終始暗黒アンビエント風に進みそうな気配がするのだが、聴き通してみるとあくまで古臭いオールド・スクールなブラック・メタルが根底を支えており、仄暗くジメジメしながらも古典とも言えるメタルのカッコ良さも同時に味わえる作品に仕上がっている。オカルティックで怪しいコーラスやエコーが掛かったヴォーカルも雰囲気に上手くマッチしているかと思う。派手さは無いが、何だか地味に充実している…そんな印象の作品だ。

漂わす雰囲気、演奏、音質、何処を切ってもブラック・メタルらしいブラック・メタルだと思うし、オールド・スクールなブラック・メタルを好むのであれば是非。Great!