The End of Life’s Ages

1STフル(2010)/From:ロシア/Style:Raw│プリミティヴ

【Track】
1.In the Circle of Dead Hope
2.Storm of Evil
3.Unholy Black Metal
4.Sun of Wolves
5.Destructive Sense of Satan
6.Where the Sun Never Reach
7.Dead Frozen Heart

【Review】
時期は不明ながら既に解散しているロシア産ブラック・メタル。Oprich ProductionsからのCDでリリース、何枚生産されたか不明ながらナンバリング(262番)が振られている。

同名タイトルのデモ音源(98年)がカセットでもリリースされており、今作はそのデモに2曲追加されてのCDリリース。しかしながら、ただ単に二曲追加しただけの作品ではないらしく、曲順も微妙に違ってたりするのであくまで異なる作品として再構築されたモノなのだそうだ。因みに歌詞カードの裏にはインタビューらしき文章が掲載されている(ロシア語なのでワカリマセン/笑)。

楽曲の冒頭にカウントを取る音が入ってたり、ギター演奏の残響がそのまんま録音されていたりと一発録りっぽい生々しいプロダクションが楽しめるRawプリミティヴなブラック・メタルをプレイ。

荒涼としたギター・フレーズが主軸で展開、ヴォーカルが邪悪にガナリ散らす中、シンプルな2ビートで疾走するといった至極典型的なスタイルを演っている。方法論としてはシンセによる装飾やアレンジ等がない全くの裸状態、言わば完全に初期【Darkthrone】型で、もう少し荒涼感を強めたサウンドといった所だろうか。

故に際立った個性をギラつかせるワケでもなく基本に忠実で、むしろそれこそが要になっているといった”アン・オリジナリティ・ブラック・メタル”を真に体現したサウンドだと言える。なんというか、非常に潔いモノを感じる。

また、楽曲の輪郭がハッキリしているのでノイズに埋もれて何を演奏しているのか不明瞭といった事もなく、Raw/プリミティヴの範囲であってもスルスルと耳に入ってくるサウンドで実に聴きやすく仕上がっている。

まぁ取り立てて言及する様な内容ではないのだがスタンダードなブラック・メタルならではの専売特許的なカッコ良さをしっかりと有しており、昔ながらのブラック・メタルが好きならシンプルに楽しめるのは間違いないだろう。特に#7”Dead Frozen Heart”なんかは実に格好良いし心地よい。

着飾らない&誰が聴いても完全にブラック・メタルといったサウンドがお好きなら一度お試しあれ。