Head of the Demon

Head of the Demon

Head of the Demon（S/T)

1STフル（2012）/From:スウェーデン/Style:ドゥーム

【Track】
1.By Titan Hand
2.They Lie in Wait – Riding the Waste
3.Phantasmagoria
4.The Man from Foreign Land
5.The Key
6.Fifth House of the Mausoleum
7.Wraith from the Unknown

【Review】
3人組ブラック・メタル。元【A Mind Confused】元【Kaamos】のメンバー二人が中心として結成された模様。

何の予備知識も無く、詳細も一切不明の状態で中古店で発見。偶々、手に取りジャケットから得体の知れない雰囲気を察知した筆者はそのまま購入。…結果、中々の拾い物をしたと、久しぶりに中古音源漁りで満足した作品をご紹介（笑）

よくは知らないのだが、ラヴクラフトの小説がネタになっているらしいく、スローなテンポでどんよりと不穏感が漂うオカルトな雰囲気に、何処と無く古めかしい印象が楽曲を覆っている、初期【Black Sabbath】を元祖としている様なスタイルである。

気の触れた奇声を発するヴォーカルが入るワケでも無く、淡々とガナり声を中心に闇を吐き出しているので、ブラック・メタル感はそんなに高い訳でもない。あくまでドゥームの延長線上にあるスタイルだ。とは言え、極端に重みがある音像でも無く、程よく引き算（良い意味で）された感覚がなかなか通好みとでも言えようか。地味だが渋く、ジワジワとハマる感じ。

ブラック・メタルの歴史上、一見ありそうで、実はあんまり見かけないスタイルなので興味があれば一度お試しあれ。

 

Sathanas Trismegistos

2NDフル（2016）/From:スウェーデン/Style:ドゥーム

【Track】
1.Nox Est Lvx
2.Armilus Rides… Again!
3.Sathanas Trismegistos
4.Zurvan’s Ordeal
5.Maleficium
6.L.L.L.

【Review】
The Ajna Offensiveからリリースされた。メンバーが一人増えており4人組になっている。【Mortuus】【Ofemod】のJohannesがギター兼ヴォーカル加わり、前作のヴォーカルが脱退、新たにベース・プレイヤーが加入したらしい。因みにこのアルバムでは前作のヴォーカルもクレジットに載っており、正確には5人体制で作られたらしい。

オカルティックな雰囲気に包まれたデビル・ウォーシップな路線は変わらず。音質向上により音に深みと厚みが増している。相変わらず、不穏さを前面に打ち出した楽曲が中心なのだが、今作ではそこに気だるさが加わった様なサウンドとなっている。前作と比べると、ブラック・メタルという側面ではやや減退した傾向にあるサウンドだと感じた。

強烈な重圧が襲い掛かる様な路線でもなく淡々と展開しながらも、音の一音一音に説得力がある様な渋く落ち着きのある大人（？）サウンドで、前作の方がブラック・メタルっぽい事をやっていた様に思う。

リフもメタルと言うよりかはロック色が強くなっており、はっきりとエクストリームな尖り方はしていない所が面白い。かなり地味だが前作同様の一本筋の通った魅力があるし、これはこれで味わい深い作品であることは確かである。

ブラック視点と言うよりか、どちらかと言えばドゥーム（ロック）視点で聴いた方がしっくりとくる音源なので、アルバムと向き合う聴き手のスタンスで印象は大きく変わるのかな？と思う。