Hellkult

The Collection

Comp(2004)/From:フィンランド/Style:Raw│プリミティヴ

hellkult_comp

【Track】
1.From The Darkest Depths
2.Satanic War
3.We Crucify You Again
4.God Is the Enemy
5.Darkness
6.Unholy Christian Holocaust
7.The Summoning of Elder Gods
8.True Victory of Evil
9.Chambers of Poisoned Sleep
10.Satanic Warmetal
11.Hail War
12.Those Of Pure Heathen Blood
13.Der Sieg Ist Unser
14.Marching Towards the Dawning of a New Empire
15.Gods of the Storm
16.Global Persecution
17.Warcry
18.Winterkrig
19.Ancient Pagan Earth Reborn
20.Eternal Victory

【Review】
二人組ブラック・メタル。主だった所では【Azaghal】【Wyrd】【Vultyr】等、その経歴が輝かしいフィンランド屈指の地底人、Narqathと、【Oath】等のKalmaがやっていたバンド。3本のデモテープとプロモ音源をまとめた寄せ集め音源。結局フルレンスを出すこと無く解散したが、このアルバムには殆どの曲が入っているありがた~い音源。

どうやらKalmaの脱退を期に独りになったNarqathが後に【Wyrd】と名を改め活動する事になったようだ。(Wyrdの前身バンドという位置付けかと思う)

当然、デモテープの寄せ集め音源なので音質はトラックによってマチマチ。基本的には初期【Azaghal】の様なRawプリミティヴなブラック・メタル路線だが数曲には【Wyrd】の遺伝子を孕んだトラディショナルな路線もあったりする。当然、デモ音源なので荒々しさ全開で宅録した様な録音だが、これがとんでもなくカッコイイ。

98年のデモ“The Christian Holocaust”【#1-#6】

メロウさとRawさが融合したプリミティヴ路線。軽快で妙に乾いたドラムの音が印象に残るが、ジリジリとしたギターに仄かなメロウさが漂っている王道のメロディックでRawプリミティヴな音源。宅録した様な有り様だが輪郭がクッキリしているので気持ち良く聴ける。少なくとも何を演っているのか分からないといった事にはなっていない。むしろ、コレがカッコイイ。

99年未公開音源“The Summoning of Elder Gods”#7

プロモ音源でここでしか聴けない楽曲。#1-#6の流れを組むRawプリミティヴ音源。スタスタ2ビートと適度な緩急を付け疾走する。まぁ可もなく不可も無くボチボチな出来。

98年のデモ“Hail War” #8-#11

彼らの中で一番古い音源。邪悪さがキッチリとありながら荒涼感を重視した楽曲群。また#9や#11はトラディショナルな雰囲気を全面に打ち出し、突如として縦笛が入り込んだりとなかなか大胆な作風になっている。疾走する部分はドガドガRawな迫力もあり#10のSatanic Warmetal辺りは非常にカッコイイ。

99年デモ音源”Of Pure Heathen Blood” #12-#20

#12でトラディショナルな路線を全面に打ち出したり、#13や#17ではオールドスクールでスラッシーな鋭く刻むリフがあったりと、彼らの中では最もバラエティに富んだ作品だろうか。#1-#11までの要素が程良く入っている集大成的な音源。ドガドガした疾走が中心でありメロディアスなベースが絡んでいたりもする。また、時折入り込むトラディショナルさは明らかに【Wyrd】の遺伝子を孕んでいると言えるのでは無いだろうか。

…と、この様に粒ぞろいのデモ音源集なのでNarqathファンの方は勿論の事、フィンランド流王道Rawプリミティヴ・ブラック・メタル【Satanic Warmaster】や初期【Azaghal】辺りを好んで聴くリスナーがターゲット範囲かと思われる。