Reclaim the Darkness

1STフル(2016)/From:オーストラリア/Style:メロディック

【Track】
1.Cold Winds
2.Reclaim the Darkness
3.All in Black
4.My Destination the Stars
5.Night Sky Abyss
6.Winter Sons
7.Black North
8.The Journey Begins
9.One World One King

【Review】
3人組メランコリック・ブラッケンド・メタル(自称)。ノルウェーのIndie Recordingsからリリースされている。

実はこのバンド、グラインド~デス・メタル畑の人脈で構成されており【Fuck I’m Dead】【The Day Everything Became Nothing】【Blood Duster】【Abramelin】(←個人的に思い入れがあって懐かしい!)【Psycroptic】等のプレイヤー達によるバンドである。勉強不足ながら【The Day Everything Became Nothing】と【Blood Duster】に関しては聴いた事がないので比べられないが、そもそもが激烈さを売りにする様なエクストリームな音源といったイメージではなく、実にメタルらしいメタルを演っている。

一応、自らの音楽性をブラッケンド・メタルなどと表現しているが、その実体は限りなく北欧的なメロデスの感触なので、ブラッケンドな部分はあまり期待しない方が良いだろう。うっすらとシンセを絡ませる部分にそういった要素を感じることも出来るが、まぁ微々たるもので基本的にガッツリとメロデスしている。

そんなこんなでデス~グラインド畑で培った苛烈さは随分と鳴りを潜めており、基本的には力強いミドルチューンで構成されたアルバムとなっている。勿論、猛烈なブラストで走る激しい一面もあるが速さを主としては扱っておらず、あくまで緩急の一部として機能しているイメージだ。ドラムは流石に上手いし、これまたキレッキレでカッコイイ!

ギターサウンドはエッジの効いた如何にもメロデス的なリフを積み上げ、ここぞという場面に於いて叙情的なリードギターが炸裂、メランコリックでありながら、時に勇壮さを感じさせるメロディはモロ【Amon Amarth】を彷彿とさせ”漢臭い”側面なんかも感じられる。Voもクセが少ないガナリ声で変な灰汁もなく、プロダクション及び演奏が丁重な仕事をしているのもあってか、オーセンティックなメタルファンにも十分対応可能なレベルだろう。故に楽曲から発せられる衝動性といった面ではやや弱いモノの整合性とクオリティが極めて高く、超良質なメロデスとして何の落ち度もなく聴ける逸品に仕上がっている。

惜しむ点としてはどの楽曲も切れよくスパッと切り上げるのでやや味気なく感じる位か…。

筆者のお気に入りはタイトル曲でもある#2”Reclaim the Darkness”で【Amon Amarth】+【Dissection】の”Maha-Kali”とでも表現したくなるような哀愁漂うキラーチューンで地味に悶絶できた次第。とってもエモーショナル。

上記で引き合いに出した【Amon Amarth】や【Dissection】(3RD限定)を辺りを好むであれば刺さるかもしれない、そんな逸品。キラキラした派手な路線ではないのも個人的には◎。

Great!