Krater


Das Relikt Des Triumphes

1STフル(2006)/From:ドイツ/Style:メロディック

krater_1st

【Track】
1.Ordo Cruor
2.Verewigt in Stein
3.Weiße Reinheit
4.Ruf zu den Waffen
5.Garde des Niedergangs (Zwischenspiel)
6.Bastion
7. …als der Stolz die Kräfte schürte…
8.Crystallinus(Tod eines Winters)
9.Luna Lugubris-Anamnese
10.Blickend vom höchsten Throne (Bastion-Thema)
11.Hidden track

【Review】
4人組ブラック・メタル。リリースはChristhunt Productions。

結局、ブラック・メタルはヘヴィ・メタルのサブジャンルである、という当たり前の事実を思い出させてくれる様なメタリックさがココにあった!

二本のギターが絡み合うメロディックな作風でモロ90年代メロデスにどっぷりと片足突っ込んでる様なスタイルだ。時折、シンセを盛り込み中世辺りの雰囲気を漂わせ、前傾姿勢で攻撃性を維持しながらもリードギターが大胆に忙しないメロディを弾きまくっているのが実に印象深い。特に#7辺りが顕著で笑えるくらい壮絶なメロディ弾きまくってる(笑)

またドラムもただ一本調子で突っ走るのでは無くテクニカルに緩急を付け、叩き切ろうと頑張っている様子が伝わってきて熱い!プレイヤー全員が持てる力を振り絞って全力で演奏している様なテンションといった感じだろうか?演奏も多々危なっかしい所があるし、多少とっ散らかっている感じがするわで、円熟味は無いが初々さから湧き出る熱量みたいなモノをヒシヒシと感じた次第。

たとえ洗練されているとは言い難いB級感が漂っていても、こういうちゃんと伝わる熱さは嫌いじゃないしカッコイイと思う。いやいや、ええもん聴かせてもらいましたわ。

尚、後半は#7を皮切りに凄まじいクサメロの嵐、ラストは20分を超えるシークレット曲(インスト~自然の効果音~楽曲という流れ)。

お腹いっぱいごっつあんデス。


Nocebo

2NDフル(2011)/From:ドイツ/Style:ブラック・メタル

krater_2nd

【Track】
1.ƱΏ
2.Parasit
3.Ebrietas – Crush the Equilibrium
4.Aura
5. –
6.Geist ist Fluch
7.Nocebo
8.Ira Initium Insaniae
9.Zerrissen

【Review】
4人組ブラック・メタル。ギターの片割れがメンバーチェンジした模様。リリースはEternity Records。

メロデス風だった前作からストロングな路線に舵を切った2ND。随分と修行を積んだ様で楽曲からB級感は全く感じられないし演奏もバッチリ仕上がっているので、前作を知っていると何かと進化の振り幅に驚くかもしれない。

90年代メロデス風のクサメロを撒き散らした前作が嘘のように、適度なダークさが漂う楽曲群。ブラックメタルらしい荒涼としたトレモロは勿論、デス・メタルっぽいストロングなリフやドゥーミーな展開を交えたり、楽曲毎に明確な個性が付いており割とバラエティ豊富な作品となっている。

デス/ブラック風の堂々たるストロングさがある#2”Parasit”、最近の【Dark Funeral】っぽいトレモロが炸裂し、メロウな荒涼感を演出する#4”Aura”、不穏でドゥーミーな#6”Geist ist Fluch”、鋭いリフと鋭いドラミングの掛け合いに緊迫感が宿る#8”Ira Initium Insaniae”等、良質かつ粒揃いの楽曲が揃っている。

それらが一つの作品として、とっ散らかっている様な印象もなく上手くまとまっており統一感がしっかりと感じられるのが今作の特徴といえようか。

尚、随所に前作の片鱗を感じられる様なリードギターによるメロウなパートも出てくるが、かなり抑え気味なのも付け加えておこう。

ともあれ、もうB級とは言わせない堂々たる風格。Great!


Urere

3RDフル(2016)/From:ドイツ/From:ブラック・メタル

krater_3rd

【Track】
1.Initiation
2.Non Serviam
3.Bury the Light
4.Flammen im Vakuum
5.Anti-Vists
6.Vexillum Luciferi
7.Hunger of Ropes
8.Nerven-Gift
9.Lust to Burn
10.Dust – Still Alive in That Place

【Review】
Eisenwald Tonschmiedeからリリースされた。前作のスタイルを踏襲しながらもドス黒さに更なる磨きが掛かったアルバム3作目。些か、順当過ぎる内容だがトータル的な完成度は極めて高く納得の一枚。

オカルト色を匂わすアートワークもそうだが、音の方にもそれに準じた様な不穏なSEを楽曲の節々に散りばめられており、ストロングでアグレッシヴであるが極めてダークなテクスチャーを有しているのが今作の特徴かと思う。

また前作同様、それ程多くは無いが流麗なリードギターが情感たっぷりにダークな楽曲に絡んできたり、鋭いリフと鋭いドラムの掛け合いでフックを付けるといった芸達者ぶりを遺憾なく発揮。暴虐性とドス黒さをメインに置きながら少量のメロウさをも内包したGreatな作品に仕上ている。

まるで【Belphegor】みたいな荒涼感と暴虐度が入り交じる#2”Non Serviam”、絶望から湧き出るメロウさに悶絶を禁じ得ない#4”Flammen im Vakuum”、中期【Behemoth】っぽいストロングさがある#7”Hunger Of Ropes”、オカルト色が強く不気味な#8”Nerven-Gift”等、今作も粒揃いかつ良曲揃いである。

ターゲットとしては【Belphegor】【Behemoth】【Dark Funeral】辺りを好んで聴いている方なら気持よく聴けるかと思われる。

質の高さとカッコ良さの釣り合いが取れている傑作。Great!!