Soldiers of Satan

Comp(1998)/From:ポーランド/Style:NS

【Track】
1.Intro
2.The Abyss of Moon’s Shadows
3.13 Revelations of the Anti-Christ
4.Black Sun
5.Szatan
6.The Madness of Closed Sleeps
7.Invocation of the Anti-Christ
8.Dawn of the Mortal Edge
9.Nuclear War
10.Darkness
11.Kill the zog!
12.The Anti-Christ
13.Evil Spirit of Destruction
14.Outro
15.Intro
16.Sacrifice
17.Warriors of the Night
18.Gamaddion (Sigillum Diabolicum)
19.Priest of the Unholy

【Review】
3人組ポリッシュ”NS”ブラック・メタル。現在はNS色を更に強めた結果、その名も【War 88】として生まれ変わり地下深くに潜伏中(追ってないので活動中かどうかも不明)。この音源はBerzerker Records(Closed)から二本のデモ音源をまとめ、コンピレーション盤としてCD化されたモノである(確か再発盤もあったハズ)。

内訳としては#1-#14が94年のデモ”Satan’s Soldiers”で残りのトラックが93年のデモ”Kill for Satan”で構成されている。因みにこのバンド、フルレングスは一枚も出ておらず、デモ音源のみで完結する様な生粋のアングラ・バンドなのだが、かのフィンランド屈指の有名ブラック・メタル・バンド【Satanic Warmaster】が影響を受けたバンドの一つとして挙げられており、実際にこのバンドが94年にリリースしたデモ音源のタイトル、その名も”Satanic War Master (Der Führer)”から名を拝借したモノだと思われる。

音の方は俗に言う”1ST Wave・ブラック・メタル”の血が混ざった様な音楽性だが、War/Bestial系として語られても何の違和感もない様な野蛮で極悪なサウンドを演っている。極悪とはいえ、グチャグチャした何が何やらワカラナイ様な直線的で金太郎飴状態の楽曲を垂れ流すのではなく、程々に展開するので実に聴きやすい。

また曲によっては簡潔かつショートカット気味な側面もあり(19曲収録で41分)、全体的に衝動性が高いのがポイントであると思っている。演奏は古典的なスラッシュ/デス・メタル要素を下敷きに超絶EVILでヘイトフルなヴォーカルが乗る、割とシンプルなモノでこれまた今改めて聴くとメチャクチャカッコ良いのである。前傾姿勢のリズム隊もかなり勢いがあってGreat!だし演奏の苛烈さで「凄い!」と表現するよりかは、Rawで「熱い!」と表現できるようなサウンドに仕上がっており、個人的に粗暴な音源として物凄く好きな音源だ。

聴きどころはズバリ93年デモ音源(#15-#19)で、激しさでは94年の音源に軍配が上がるモノのヘヴィにザクザク刻むリフを配したミドルパートから一転、ドカドカした荒々しい疾走を聴かせ、一体どっから声だしとんねんとツッコミを入れたくなるような粘着質で強烈なヴォーカルが絡む様は見事。

恐らくは最初期の【Sodom】とか【Sarcófago】、【Mayhem】の”Deathcrush”辺りまでの80年代後期~90年代初頭に掛けての粗暴かつアングラなエクストリームなメタルを好んで聴く方には高確率で刺さるんじゃないか?と思う。ソコを元祖とするWar/Bestial系を好む方にも試して欲しい逸品。

まぁ【War 88】程、モロではないが一応はNSの系譜にある路線なのでソコが気にならないのであれば、といった条件付きなのだが。