Order of the Ebon Hand

The Mystic Path to the Netherworld

1STフル(1997)/From:ギリシャ/Style:メロディック

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【Track】
1.Unbroken Vow
2.Under a Pale Moonlight
3.While the Gods Laugh
4.Fallen Hierarchy
5.Tears in Red
6.Orions Astron
7.Behold the Sign of a New Era
8.Awakening
9.The Skull (The Mystic Path to the Netherworld)

【Review】
【Mournblade】のメンバーによる3人組ブラック・メタル。元【Nocternity】のMerkaalが在籍している。【Nocternity】のメンバーが運営している”Kyrck Productions & Armour”から2009年に2曲追加して再発したそうだ。(チェーンメイルをオーダーメイドできるレーベル!/笑)因みに今回レビューするのはHypervorea Recordsからリリースされた1997年リリースのオリジナル盤。

音の方はシンセをフィーチャーした疾走メロディック・ブラック・メタルである。#1-#6は1995年録音、#7-#9は1996年録音だそうで、前半と後半で些か受ける印象が違う。どちらも下地は結構しっかりしたオーセンティックなメタルをプレイしているのだが、ブラック・メタル然としたリフもバランス良く配置、そこにシンセが幻想的に絡んでいく路線である。前半部分も確かに良いのだが、特筆したいのが突如としてプロダクションが変わる#7~#9の展開。この3曲に限っては特に突出した楽曲で、単純にドラマティックさとメロディが2割増し位に跳ね上がっている。前半に比べると、しっかりとした個性を確立してきた様に思う。決して苛烈な音では無く、チープな側面は否めないが、幻想的なメロディック・ブラック・メタルとして一級品。

俗にいう”隠れた名盤”というべき作品である。

 

XV: The Devil

2NDフル(2005)/From:ギリシャ/Style:ブラック・メタル

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【Track】
1.For Marchosias
2.To Alloces
3.Gateway to Silence
4.The Visitors
5.Eibon
6.To Gremory
7.Spellbound
8.The Swordwraith (Unbroken Vow II)
9.(You Are) The Gleaming King

【Review】
ブラック・メタルとして邪悪度、禍々しさが大幅に跳ね上がり殆ど別バンドと言っても過言ではない。

大胆なメロディをバッサリと切り捨て、邪悪一本に絞ったピュアなブラック・メタルを突き詰めている。これはこれで問答無用の悶絶盤。やや、個性は薄れた様な気もするが、ゾクゾクする禍々しさとオカルトな雰囲気、そして荘厳さすら感じる神々しさ…ドス黒過ぎる末恐ろしい逸品である。シンセの使い方も禍々しすぎるし、曲のバリエーションも豊富、直線的な曲もあればドラマティックな曲もあり、ヴォーカルの表現力も素晴らしい。それらの要素が全て邪悪へと繋がっていく様は圧巻である。

ハッキリ言って弱点らしい弱点が見当たらない100%暗黒メタルである。

ブラック然としたトレモロ・リフ、そして覆い尽くされたブラスト、邪悪で黒すぎる暗黒を明確に描写していく雰囲気、これぞ不純物を含まないブラック・メタル。何気に引き合いに出すバンド名が思い当たらない独創性のあるバンドだと思う。

1STとまるで方向性は違うが、個人的に鬼推ししたい作品。