Plaga

Pożeracze Słońc

EP(2011)/From:ポーランド/Style:メロディック

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【Track】
1.Goblet of Bitterness
2.Pożeracze słońc (Swallowers of Suns)
3.Sznur (The Rope)

【Review】
ブックレットにラインナップが記載されていないので、調べてみると元【Arkona】や元【Veles】等で活躍していたConquerorが絡んでいる二人組みブラック・メタル。Pluton’s Rising Productionsからリリースされた3曲入りEP。

荒削りな所がやたらとカッコイイ、衝動重視で破壊力が込められたパワフルな音源。特に力任せに叩き付ける様な凄みがあるドラミングが非常に印象深い。ギターはジリジリとした質感で荒々しさを前面に押し出したRawな音だが、流麗なギターソロもあったりして意外とオーセンティックな側面があり、あくまでメタルが大前提にあるようなスタイルだ。また、ヴォーカルに関してはガナり声が中心だが、とんでもなく阿鼻叫喚なテンションになったりと表現力も申し分ない。

この様にメロディックでありながら魔属性が高い音源を好むなら是非とも聴いてもらいたい音源だ。

尚、3曲で20分程度のEPなので、物足りなさはあるモノの、ライデンが在籍していた頃の【Naglfar】を彷彿とさせるメロディックで向こう見ずな爆走を聴かす#1、ミドル・チューンで印象深いメランコリックな旋律を聴かす#2、そしてディプレッシヴに片足を突っ込んだ様なFuneralさが印象的な#3とバリエーションは豊富。たった3曲とは言え、各楽曲にしっかりとした個性が備わっているので満足度は高い。

ズバリ、傑作の領域にある音源だ。Great!

 

Magia gwiezdnej entropii

1STフル(2013/2014)/From:ポーランド/Style:メロディック

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【Track】
1.Intro – Left Hand Prayers
2.Trąby zagłady cz. II
3.Śmierć cieplna wszechświata
4.Slaying the Spiritless Abel
5.Magia gwiezdnej entropii

【Review】
2013年にSocietas Oculorum Arcanorumからリリースされていた音源の再発盤。リリースはCanonical Hoursなるレーベル。

傑作EPで聴けた”メタルを大前提”とした作風を更に推し進めた結果、個性的な領域にまた一歩踏み込んだ作品。基本的にはゴリゴリのメロディック・ブラックを演っているのだが、楽曲によってはブラック・メタルらしからぬ色気あるギターを大胆に導入しているのが大きな特徴。ここぞといった場面において「うそやん?」って位、流麗で色の付いたHR/HM調のギターソロが切り込んでくるのである。言わば従来のトレモロでアングラ的な悲哀を描く部分と、陽性のオーバーグラウンド的な泣きのリードギターが一つの楽曲に同居していると表現できるかと思う。その導入の仕方が実に巧妙で炸裂するべくして炸裂しているという感覚がちゃんとあるのがGood。

尚、アルバムの概要としては、#2-#3は割とブラック・メタル的要素が強い楽曲を披露し、#4-#5に関してはメタル的要素が大きい楽曲といった構成となっている。

アルバムを通してミドル・チューンが中心の作品だが#2”Trąby zagłady cz. II”ではミドル・パートからファストに雪崩れ込み爆走するといった側面や、相反して#4”Slaying the Spiritless Abel”の出だしのリフがとてもブラック・メタルだとは思えないようなHR/HM的リフからスタート、徐々にメロデス風に仕上がっていく作風等、今作もバリエーションは豊富で面白い。

これからどの様に進化していくのか、更なるネクストが楽しみなバンドだ。相変わらずGreat!