Poccolus(S/T)

1STフル(1996)/From:リトアニア/Style:ペイガン│アトモスフェリック

poccolus_1st

【Track】
1.Vilkolakiai
2.Pakol Dega Laužai
3.Ugnis Kyla Virš Ąžuolų
4.Begeyte Peccolle
5.Jie Ateis…
6.Rudens Miško Šnabždesiai
7.Tai Bus Mano Triumfo Valanda
8.Kirsk, Medeine, Kirsk
9.Dvasklajys
10.Untitled

【Review】
3人組ブラック・メタル。ゲスト・ミュージシャンを二人起用しての総勢5人でレコーディングされた。(内、一人はリトアニアの民族楽器”カンクレス”奏者)また、2006年にSupernal Musicより再発されていたらしい。尚、今回、紹介するのはオリジナル盤である。

楽曲の方は、エコーの掛かった「あ”ぁ~~~」と泣き喚く様な悲愴ヴォーカルが良くも悪くも印象的。時折、クリーンヴォイスでコーラスが入ったりもするが、若干、気狂い的であり、好みが分かれそうな印象。

基本的にはシンセをメイン・リードに据えたアトモスフェリック系であり、神秘的なイメージを植え付けながらジメッと湿った空気感を描き出す。そこに限定的だがカンクレスと呼ばれる民族楽器を絡ませたりする。(#2-#3-#8)何やら民族弦楽器らしく、牧歌的で物悲しげな雰囲気を醸し出しており、民族楽器フェチ・辺境地マニアはそれだけでも聴く価値がありそう(笑)

また、メタル・パートはミドルチューンが主体だが適度に疾走しており、ジリジリとしたギターを絡ませ、シンセと協奏したり全面に出たり、時にメロディックだったりを繰り返し、あくまで暗めかつ地味に展開していく。まぁ、この辺はペイガン・ブラック・メタルの王道を踏襲していると言える。楽曲の空気感、そしてプロダクションを含め、90年代アングラ・ブラック・メタルそのままなので好きな方にはタマラナイだろう。

ターゲットとしては初期【Disamal Euphony】とか初期【Dimmu Borgir】辺りを好む人なら案外とストライクかもしれない。(個人的な感覚だが、少なくともそれに近い音を出している。)

今となっては90年代マニア向けの逸品。理解ある方には推薦盤。