Sad Legend

Sad Legend(S/T)

1STフル(1998)/From:韓国/Style:メロディック

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【Review】
1.한:Han
2.절망의 새벽:Dawn Of Despair
3.슬픈 곡성이 들리는 밤:Nocturnal Cries Of Agony
4.노을진 호숫가의 공허함:Utter Emptiness On The Dusk-Fallen Lake
5.영혼을 잃어버린 세계:Realm Of The Soulless
6.소녀의 환생:Reincarnation
7.외로운 장례식:A Funeral In Solitute

【Review】
4人組ブラック・メタル。今は亡きHammerheart Productionsからリリースされていた。

あまりにもメランコリック!【悲哀伝説】という名は伊達じゃない。たたずむ女性、その視線の先にあるロープ…そこに生々しさは無く、幻想的な雰囲気が漂っている。アートワークが見事に音を表している好例。世界観は”古い伝承にある悲しい物語”的な雰囲気を漂わしているのだが、実際は日韓にまつわる暗部がテーマになっているらしい(バンドに反日の意思は無いとの事)。

音の方はメランコリック極まるメロディが大前提の演奏であり、しっとりとした雰囲気に包まれている。勿論、展開として疾走する部分も設けているが、基本的にはどの曲も感傷的な部分を刺激するかの如くじっくりと”聴かす”事を重視している様なスタイル。初っ端の#1”Han”(名曲!)からしてアクセルベタ踏み全開で悲哀を濃厚に描く。全くオブラートに包んでいない剥き出しかつ大胆な悲哀とでも言えようか。それはまるで音から涙が溢れている様にも感じられ強烈に耳に残る。#1に限らず全曲を通して徹底してクサイ。クサ過ぎる!

また施されるアレンジもあざといまでに強固でありハイトーンコーラス(女性Voっぽいが実は男性の裏声らしい)が乗ったり、シンセが幻想的な雰囲気を醸し出したりと悲哀な物語をより一層引き立てている。色々と悲哀を描くバンドは多いが、これぞメランコリック・ブラックの決定盤ではなかろうか。ここまで露骨に演るバンドもそうはいないだろう。

随分と昔の作品だがたまに猛烈に聴きたくなる逸品だし、初めて聴いた時の衝撃は今でも忘れない。

 

Searching for the Hope in Utter Darkness…

EP(2002)/From:韓国/Style:メロディック

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【Track】
1.어둠 속의 소망을 찾아
Searching for the Hope in Utter Darkness
2.파도 위의 숨결(증오의 꽃으로 다시 피어나)
Sigh on the Billow (In Blossom with Hate)
3.괴성의 메아리
An Echo of Bizarre Screams

【Review】
一人メンバーが増えた5人組メロデス/ブラック・メタル。今回もHammerheart Productionsからリリースされていた。

今作も相変わらずメロウな楽曲を披露しているのだが、随分とメロデス風に寄った作風に変貌。オーセンティックなメタル由来の刻みリフを多用し、あくまで雰囲気付けの立ち位置だったシンセが大胆に表立ったメロディを奏でたり、ドラムの音がドライな感じがしたり「違う、そっちじゃない・・・」と言いたくなる様な方向へと大手を振って行進している(笑)

勿論、テーマにしている”悲哀”という根っこは変わってないのだが、どうしてもメランコリックさに奥行きが感じられず、最後までチープな印象が拭えなかった。音や展開にメリハリが付いたのだが、メロデス的アプローチが強すぎてブラック・メタルとしての格が一気に下がった様に感じられた次第。前作の格調の高さは一体何処にいったのか…誠に残念。

前作のイメージ引き摺らなければ、或いはシンセを前面に押し出すメロデスが好きなら決して悪くは無いと思われる。個人的には前作のイメージを引き摺りすぎて、イマイチだった。