悲しみ

Demo.CD-R(2006)/From:日本/Style:ディプレッシヴ

samayoi_demo

【Track】
1.Intro
2.Misanthropy
3.悲しみ
4.絶望の光

【Review】
静岡の3人組ブラック・メタル。既に解散済み。尚、フロントマンであるO. Misanthropyによる【Kanashimi】なるプロジェクトが始動している。

デモ・タイトルが示す通り、悲しみに彷徨い深く落ちていくディプレッシヴ極まりない作品。聴き手を絶望の淵に陥れるような、ゆっくりと気だるくメランコリックな旋律が音源全体を支配している。なんだか、虚無の世界をゆらゆらと鬼火の様に漂っている…そんな情景が脳裏に浮かんだ次第。音を構成する要素はディプレッシヴ・ブラック・メタルのフォーマット通りで、ノイジーなギターをゆっくりと歪ませ、クリーンギターで物悲しげな音色を絡ませる。そして、何があっても絶対に走らなさそうな、ゆっくりと進行するフューネラルなリズム、そこに殆ど楽器と化しているヴォーカル(エフェクトかかってる?)の悲痛な叫びが木霊している。一体、何を訴えてるのか1mmも分からない程、歪んでおり、一度詩を読んでみたい気もする。(詩など無いのかもしれないが・・・)ノイジーでありながら繊細であり、生命諦めムードが凄まじい。正に松岡修造と真逆を行く(笑)ダウナー系鬱ブラック。生きる活力などもらえるワケもなく、逆にゆっくりと首を締められ生命を奪われていくかの如く、スロー・デスな逸品。

【Xasthur】とか【Norrt】辺りを好んで聴く人にはストライクだろう。