Svarttjern

Misanthropic Path of Madness

1STフル(2009)/From:ノルウェー/Style:ファスト│トゥルー

svarttjern1st

【Track】
1.Code Human
2.Ancient Shadows Revelation
3.Upon Human Ending
4.Stillborn Acolyte
5.Misanthropic Path of Madness
6.Finally the World Shall Shape
7.Passions of 7
8.Ære fra det Indre(Bouns Track)

【Review】
5人組の豪速ブラック・メタル。Anti-Human TNBMの刻印がしっかりと刻まれている。

非常に気持ちが良いアグレッションと極悪かつ邪悪さ全開のキレがある楽曲を展開。オールド・スクールで豪快に刻むスラッシーなリフと、ブラック・メタルらしい邪悪さのバランスが素晴らしい作品である。軟弱な部分を徹底して排除した豪速ストロングな作りだが、デス・メタル寄りには決してならない辺り本格的なブラック・メタルと言えよう。クオリティも半端無く素晴らしいし、何よりも5人組によるバンドとしての分厚さがタマラナイ。ノルウェイの底力が感じられる真摯な作品である。荒涼感だとか寒々しいとかの雰囲気的な要素は抑え気味だが、ブラック・メタルの基本である邪悪さに焦点が絞られている点が非常に好印象。憎しみの言葉を吐き捨て続ける中高音でガナリ立てるヴォーカルが暴虐的さに拍車を掛け、土埃を上げそうな豪速なドラム、切れ味と邪悪さを兼ね揃えたリフが一丸となって繰り出される。それら全ての要素がトータル30分弱で走り抜け、キッチリと邪悪へと繋がっていく本格派ブラック・メタルである。

個人的に文句なしの大推薦盤。

 

Towards the Ultimate

2ND(2011)/From:ノルウェー/Style:ブラック・メタル

Svarttjern_2nd

【Track】
1.Breathing Soil
2.Hellig jord
3.Superior Growth
4.Aroused Self-Extinction
5.I Am the Path, Part II
6.Desolate Predictions
7.Unmasked Violation of Life
8.Through Madness and Sanity I Am…
9.For What Blooms Without Lust

【Review】
前作と同じメンツで作られた強力なブラック・メタル2ND。良質レーベルAgonia Recordsからのリリース。

暴虐的なサウンドから繰り広げられる如何にも悪そうな邪悪サウンドは健在。若干メロディアスになって聴きやすくなっているが、暴虐的である事が大前提となっており今作も実に痛快。豪な刻みリフを交え、甘えた要素は感じられない暴虐的トレモロを武器にキレ良く突撃する。早い話が、前作の延長線上で至極安定した音源だと言う事だ。

変化と言う程では無いが印象としてミドルパートを展開の一部として盛り込んでいる部分が前作より若干多く感じられ、比べると勢いや爽快感という点において一歩後退したかな?と言える。だが、あくまで極論であり魅力が失われたワケでも深刻な変化でもない。

演奏レベルや音質を含め、ほぼ前作のマンマなので安心して聴ける。まぁ裏を返せば殆ど”1STのパートⅡ”になってしまっている為、際立った伸び代が感じられず、このまま同路線で突き進むにはマンネリを生みかねないという危機感はなんとなく感じる。

1ST同様Greatだがもう一捻り欲しい。

 

Ultimatum Necrophilia

3RD(2014)/From:ノルウェー/Style:ブラック・メタル

Svarttjern_3rd

【Track】
1.Shallow Preacher
2.Aged Burden Fades
3.From Caves to Dust
4.Ultimatum, Necrophilia
5.Fierce Fires
6.Hymns for the Molested
7.Where There Is Lust
8.Flourish to Succumb
9.For Those in Doubt
10.Philosophers, Adore Me Now
11.Aroused Self-Extinction Pt. II

【Review】
NoiseArt Recordsからリリースされた。相変わらず5人組で分厚い音を出しているが、今回はベースプレイヤーが交代している模様。

以前までの暴虐的な路線を継承しつつ、そこにダークさと焦燥感を加えたイメージ。当然、荒々しく突進するパートも山盛りだが、印象としてはダークで禍々しいオーラをより強く放つようになった。雰囲気重視に傾きつつ聴かす方向性へと微妙に変化、それに伴ってリフもダイナミックになっていると言えるかと思う。よってダークかつ極悪な”メタル”としてよりカッコ良くなってきたイメージである。

苛烈な押しの強さとはまた少し違った別の魅力があり”1STパートⅢ”にならなかった事が個人的に嬉しかったりする。しかしながら結局の所これも極論でしかなく、著しくイメージが激変しているという程の変化では無い。

あくまで【Svarttjern】らしい音源だ。Graet!

 

Dødsskrik

4THフル(2016)/From:ノルウェー/Style:ブラック・メタル

Svarttjern_4th

【Track】
1.Intro
2.All Hail Satan
3.Admiring Death
4.Blessed Flesh
5.Det river i meg
6.Whispers and Prayers
7.Stars and Death
8.Dødsskrik
9.Hengivelse til døden
10.Acid Dreams

【Review】
今回はSoulseller Recordsからのリリース。人事的にはベースプレイヤーがしれっと交代している。

今作の最大のポイントはスラッシュ・テイストをかなり露骨に強めた事にあるだろう。ブラック・メタルで言う”メタル”の部分を更に強化した事により、誰が聴いても単純にカッコ良くなったと言えるのだが、肝心要のブラックの部分、つまり邪悪さや暗黒度といったダークサイドな側面に関しては相対的に大人しくなっている。言い方を換えると”LIVE栄えしそうな楽曲”が中心になっている。#2”All Hail Satan”なんかが特に顕著で皆で叫べそうなフレーズがキッチリと入ってたりとキャッチーさも大幅に向上。喉越しサッパリ、クリアな味わい、前作までのドロドロさ加減は控え目。

これを良しとするかは聴き手次第だろうか。

ザクザク刻み込むリフをベースにトレモロリフを絡ませ、自己主張が強い新ベーシストの聴かせ所も豊富に用意してあったりするので純粋にメタルとしてカッコ良い。以前までは不健康なまでの地下暗黒メタルっぷりだったが、いよいよ地下から地上へと顔を出した位の変化をしているかと思う(少しだけだが/笑)

なんだか最近の【1349】が辿った進化とよく似ているかも。

ともあれ、聴いてて心地良いしカッコ良し!