The Grand Psychotic Castle

EP(1997)/From:ノルウェー/Style:シンフォニック

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【Track】
1.Intro
2.Dark Red Light upon the Bomos
3.Images of the Mystic Sphere
4.Tones Towards the Empyrean
5.The Grand Psychotic Castle

【Review】
個人的に大好きな音源。【Emperor】のシンセ奏者として参加経験があるCharmand Grimlochによる独りブラック・メタル。

乗っけから「ア”ァー!」と前触れもなく放たれる絶叫が心臓に悪い。久しぶりに聴いてみても、やっぱり驚いた(笑)さて、音源の方はシンセの比重がかなり大きいシンフォニック・ブラック・メタルである。時代を投影したかの様なチープで味のある旋律が、かなり明確に情景を描写していく。

まるで”古城に住む主の狂気”を描いているようなゴシック・ホラー的な音像なのである。

そこに薄っすらとトレモロが乗ったりするのだが、シンセとのシンクロ率が高く一瞬、ギター使ってる?と思ってしまう。(ドラムはドコドコ鳴ってる)この辺の匙加減、言わば音作りのバランスは巧みだなぁと思う。また、ヴォーカルワークも素晴らしく気狂い的な一面がありつつも、表現力もあり改めて聴くと相当カッコイイ事に気付いた次第。

デモとこのEP、そしてアルバムを一枚出して活動を辞めてしまったみたいだが、実に素晴らしいシンフォニック・ブラック・メタルである。

 

The Red Jewel

1STフル(1999)/From:ノルウェー/Style:シンフォニック

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【Track】
1.The Lamentable Sonata (Intro)
2.The Ruby Mine
3.A Shape in Fair Disguise
4.Storm of Terror
5.Into the Faculty of Wonderful Secrets
6.The Red Jewel
7.In the Intense Domain of Grievousness
8.The 5th and the Hysteric

【Review】
1STにしてラストアルバム、これも傑作。

今作ではマスタリングに【Mysticum】のPrime Evilが関わっている。今作ではシンセが影を潜め、メタル・パートをガッツリと全面に打ち出し、荒々しさと整合性を併せ持つ苛烈さが味わえる。基本的に細かく刻み、良く動くリフで緩急を付けながら展開し、アグレッシヴなドラミングで纏め上げている。一方、シンセに関しては前に出る部分、引っ込む部分とメリハリが出てきた様に思うし個性的な音色(幽霊が浮遊してそうな音/笑)で攻めて来る。今回、シンセとメタルのシンクロ率はメタル部分に偏っており、前作程のシンクロ率は無くなったが、それでも個性的な音を放っている様に思う。Prime Evilが関わったからか、若干インダストリアルっぽいと言っても過言ではないであろう、ダイナミックさもあったりするのも興味深い一面である。ともかく久しぶりに聴いてもやっぱりGoodだった。

当時、あんまり話題にならなかった様に思うが、ブラックたる怪しい雰囲気、スリリングで苛烈なアグレッシヴさが同居する名盤かと思う。随分前の作品だが、EPを含め是非再評価をっ!