Torgeist

Devoted to Satan

Demo/EP(1994/2008)/From:フランス/Style:オールド・スクール│プリミティヴ│Raw

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【Track】
1.Intro
2.Follow Him
3.Devoted to Satan
4.Dark Place
5.Evil Prevails
6.Outro

【Review】
Les Légions Noires(LLN)に所属していた4人組ブラック・メタル。LLNの中でも【Vlad Tepes】や【Mütiilation】並に知名度があるバンドである。

【Vermith】や【Amaka Hahina】を率いるLord Beleth’Rim(ここではThe Blackと名乗っている)、【Belkètre】のLord Aäkon Këëtrëhを中心にDark、Gargoyleなる人物により録音されている。元々は94年のデモ・テープであるが、Drakker Productionsが2008年にオフィシャルCD化したモノである。

さて、音源の方は、まるでサバトを思わせる邪悪なイントロから、オールド・スクールでプリミティヴなブラック・メタルが炸裂する。荒涼とした寒々しさと言う路線では無く、どちらかと言えばサタニックなイメージが強い。所謂、Evilなスラッシュ・メタルがベースになっているとでも言えようか。

演奏はジャンジャンと掻き鳴らし中心のリフ、ボンボンと安定して鳴り響くベース、Rawでトッタントッタン、ボロボロ、ボコボコ(笑)と熱心に叩いているドラム、そしてヴォーカルは獣の様なEvilさでガナリ立てている。

当然、コレはデモなので、雑な音質ではあるのだが、各楽器の音は決して潰れておらず、しっかりと音が分離しているのでこの手にすれば非常に聴きやすい。しかも楽曲は激渋路線だと思うし、非常にRawで剥き出しな所が魅力的で非常にカッコ良い。

仮にこれを良いスタジオで練りに練り、高品質に武装したところで、音源の本来持つべき魅力が9割位は失われるタイプの楽曲群だと個人的には思う(笑)つまり、デモとは言え、完成しているのである。

このディープ(?)なアングラシーンでは荒削りなデモのまま残すのが、ある意味正解だったり常用手段だったりするのだ。

 

Time of Sabbath

Demo/EP(1995/2008)/From:フランス/Style:プリミティヴ│Raw

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【Track】
1.March of the Black Assemblies
2.Sweet Death
3.Flame of Hate
4.My Soul for Your Victory
5.Bloody Tears
6.Time of Sabbath

【Review】
今作ではDarkとGargoyleに代わり【Belkètre】のVordb Bathor Ecsed、そしてA Dark Soulなる人物にメンバーが代わっている。

古めかしく、チープで怪しいが個人的に愛おしくてたまらないイントロで掴みはOK。続いて繰り出される、明らかに酷くなった音質…この手に耐性が無ければ、一聴しただけで怯みそうな濃厚な地下臭。これぞ正真正銘のアングラ・ブラック・チューンであろう(笑)

この前作にも増して濃厚な地下臭を漂わしているのは、明らかにギターの音に起因するモノである。ギターのシャリシャリ・チリチリ感が相当踏み込んだキツさになっている。しかもギターに起伏らしきモノは感じられず、只管に平坦なノイズを吐き出している。恐らく聴く環境次第ではタダの雑音にしか聴こえないだろうと思われる。まぁ、よく聴くと演奏しているのだが…(笑)

うん、ギターに関してはハッキリ言って酷い。前作より相当劣化しているし、明らかに狙って演ってるだろ、これ(笑)

そういった初期衝動性しか感じられない楽曲の中、楽曲の根幹を担うベースが冷静かつマイペースに流れをコントロールしており、辛うじて楽曲の流れは掴めるかな?といった所である。

仮にベースレスだとすると、想像しただけで、とんでもない作品が出来上がったのでは無いだろうか?(笑)ベースでかなり報われている様な気がする。

因みに個人的には前作の方が好みであり、妙な凄みが出ていた様に思えたので前作に軍配が上がる。まぁ、この辺は好みの範囲だと思うし、前作同様、人を選ぶ最下層(良い意味で)の音楽である事には違いなし。

前作にも増してマニア及びフェチ志向な音源となっている。