Mayhem大阪公演行ってきた。

ブラック・メタルの大御所中の大御所、”The True Mayhem”の大阪公演に行ってきました。とりあえず、言いたいのは素晴らしいの一言です。ゲスト出演のDefiled、Sighも素晴らしかったです。

※尚、写真はありません!(数枚撮ったんですがどれも失敗した…)

時間的にキッチリ区切られた感じで、19時:Defiled、20時:Sigh、21時:Mayhem、終了22時です。平日もあってか、あまり人は入ってなかった様子…。8割位でしょうか?というか、ブラック・メタルというジャンルって大阪ではあまり人が入らないというイメージがあります…。名古屋、東京の状況はどうなんでしょうか?Mayhemならもっと人が来ても良いはずなのに。そのうち、大阪飛ばしもあり得るのかな…という危機感を毎回覚えます。採算取れてるんでしょうか??

 

Defiled

久しぶりに観ました。恐らく15年~20年ぶり位かな?(笑)

というかメンバーがガラリと変わっておりまして、私が知ってるDefiledは藤本氏がVo.だった時代のDefiledです(3枚目まで)。なので新生Defiledは今回が初めての体験となります。印象的にもっと厳ついイメージがあったんですが、ちょっとストレートになったんですかね?以前はもっとウネウネしてて変拍子バリバリの奇っ怪な音を演ってたイメージがあったんですが、新生Defiledは旧体制と比べ、テクニカルだけど、よりストレートなデス・メタルを演っているイメージでした。

とは言え、走り出したら止まらない暴走列車の如く完璧にコントロールされた演奏がカッコ良い&凄まじかったデス。予習してなかったんで、楽曲はワカリマセンでしたが十二分に楽しめましたし、Vo氏の咆哮も音の抜けが良く、非常にカッコ良かった!お陰様でデス・メタル熱が再燃しそうです。

ところが轟音に包まれた一発目で私の老朽化した耳は既に壊れかけ始めました(笑)著しく感じるのは40過ぎてからからですかね…明らかに弱体化してます。。若い皆さん、今はいいけど老いは急にやってきますよ。

 

Sigh

今回、観るのは2回目です。イメージ的に小道具を多用したマジック・ショー的な楽しみがあるSighですが、今回は意外とストレートなショーだったと思います。小道具を用いた胡散臭い&怪しいステージを私は期待してたんですが、そういうのは一切なく力強い演奏で押し切ります。やはり唯一無二な楽曲群はインパクトがありますよね。あと私はバンド経験はないので、裏方事情ってのを知りませんがあのオケのサンプリングってパソコンで制御されてるんですかね?バンドサウンドとタイミング合わすの難しそう…。

川島未来氏が横笛を披露、Dr Mikanibal嬢のサックス&強力なVo、”ちょっと病的な世界の渡部”っぽい風貌のギター氏(スンマセン/笑)もキレッキレでギターを乱舞してましたし、アヴァンギャルドなんだけど、ドメタルという彼らでしか感じられない個性が光っていましたし、見応えがありましたね。しかしながら既にDefiledで早くも耳がおかしくなってたので、サックスが殆ど聴こえなかったです…。アレちゃんと鳴ってましたかね?あと懐かしEP”葬式劇場”から「真言立川」演ってました。懐かしい…。

 

Mayhem

今年亡くなったItの追悼か、ステージの準備をしている段階で突然Abruptum(多分Evil Geniusではなかろうか?)がかかりはじめ、今から始まる邪悪なステージに期待が膨らみます。いやぁBGMのチョイスっていうか選曲が流石だなぁと思ってニヤニヤしてました。黒い、全くを持って黒すぎる。

完成されつつあるセットは左右にゴシックな石像が描かれたタペストリーを配しており、ライトがあたると立体的に浮かび上がって見えるギミックがありました。スモッグもたかれ、バックにアートワークの古城はなかったモノの、雰囲気は正にFuneral Fogです。とても禍々しく、光と闇と霧に包まれた恐怖のステージが全貌を露わにします。会場の温度が一気に下る程の雰囲気でかなり視覚的に作り込まれてましたね。

内容的には1曲1曲の節目に不気味なアトモスフィアが鳴り響く雰囲気満載の構成、一時も見逃せない、そんなLiveでありました。また各メンバー真っ黒なローブをまとっており、演奏する姿からドス黒い雰囲気を放ちまくり。特にVoであるAttilaはまるでスターウォーズの”暗黒卿シス”みたいで、これまたコープスペイントがエゲツない(笑)一方でいつも普通の格好をしているイメージのNecrobucharもローブをまとっており、時折覗かせる顔がまるで中世からやってきた闇の異端者みたいでした。いやー、黒い気が会場に充満しており流石に鳥肌モノです。そうそう私はこういうのが観たかったんだ。バンドにもよるけど、ブラック・メタルは雰囲気が大切だと常々思ってて、それの最たるモノを感じられた次第であります。

そして名曲”Funeral Fog”が始まるが、ここで大阪公演ではモッシュが起こる。Mayhemでモッシュはどうかと…。かのEuronymousが興したレーベルDeath Silence Productionsがワザワザカタログナンバーに”Anti-Mosh”を掲げていたのを知らない層が観に来てるって事なのかな?※本来の意味合いはデス・メタルに対抗するという事を表していて、当時デス・メタルやグラインド・コアをこぞってリリースしていたEarache Recordsのカタログナンバー(つまりMosh)に対抗したというのが、本来の意味合いだそうで、モッシュ行為自体とは何も関係ないかもしれませんが。

最新のアルバムのLiveならまだしも、今回はDSPからリリースされた1STの再現Live、Euronymousが死にあれから時代は変わってるとは言え、ちょっとジェネレーションギャップを感じてしまった。最近の地元や海外の反応、現メンバーのモッシュに対する考え方までは知らないけれど…。これEmperorの1ST再現Liveの時も思った。そもそもサウンドと合ってないと思うんですよ。

まぁ、私がズレてるだけかもしれないし、実際に現場では起こってるのが現状で「お前、ズレてる、この老害が!」と感じた方は、時代に適合できないオッサンの戯言だと思って聞き流して下さいな。でも、高まって高まって感情が爆発するって誰もが感じる瞬間だったし、そうなるのも少しは理解できます。※因みにモッシュ自体には否定的ではないのであしからず(変に誤解をされている人も居るようなので)。やれるバンドでは大いに結構!

と、モッシュ問題はこの辺にしといて、名盤から繰り出されるあの独特の空気感を余すこと無く表現された最高のステージが次々に進んでいく。儀式をイメージさせるステージとバンド・サウンドの融合がココに極まると言った感じでしょうか。

目を奪われるAttilaの黒魔術的パフォーマンス(呪文を唱えてるようなジェスチャーがまた良いんだ/笑)、そしてアルバムの再現に相応しい表現力を持つHellhammerの超絶ドラミング(エコーが掛かかってる部分もちゃんと再現されてた!)が素晴らしい。残念なことに私の耳は既に崩壊レベルに達していたのでギターの細かい旋律はほぼ轟音に聴こえてたけれど(Funeral FogとFreezing Moonではギターの音が殆ど聴こえなかった!なので相当、耳が逝ってたと思われる/笑)、名盤の雰囲気を余すこと無く再現できてたどころか、むしろ倍増していた様な気がします。私には見えました。あのジャケのアートワークの下にはゴシックな石像が打ち捨てられた墓場が広がっているんだ!と。

ライブが進み、Life Etarnal以降から祭壇が登場、蝋燭に火が灯され、頭蓋骨が祀られている下りなんかは、ベタと言えばベタなんですが、それを実際にやるってのが最高ですよね。こういう雰囲気あるセットは重要なんだなと思った次第であります。勿論、普通に登場してMCをそこそこに、カッコ良い演奏するクールにキメるのも良いのですが、ブラック・メタルって元々、病的な部分やダークなバックグラウンドがちゃんとあるワケで、そういった世界観を持ったバンドなら、シアトリカルなステージで演るべきだし必然だと常々思ってるんですよね。それっぽくやってるバンドも確かにいるんだけど、ここまで演りきってるステージを私は今回初めて観た気がする。

終始、MC無し(アリガトーと最後に言ってたが/笑)、アンコール無し、徹底的に再現して去っていきました。最後の蝋燭の火を消すまで、全てが最高のパフォーマンスだった様に思います。ホント、完璧、凄かったとしか言いようがありません。事前にDVDを観ていたので新鮮味ないかなぁ…なんて思っていたのですが、実際に目の前に起こっていることを目の当たりにすると、やっぱり来てよかったな~と心底思いました。やはりホンモノは違う!

最強、最狂、最恐の正真正銘のThis Is Black Metal!を体験できてオッサンは幸せでした。多分、今、これを打ち込んでる時点で名古屋の公演は終わった事だろうし、どういう結果に終わってるのかは知らないが、東京の人、期待してイイと思います。

後から聞いた話なんですが、Attilaの衣装に火が燃え移るというハプニングがあったそうだけど、私は気付きませんでした。。

というわけで全く、まとまりのない殴り書きで申し訳ないですけど、簡単なレポとさせていただきます。

ではでは。