Durthang

Passage Beyond the Cold Vales of Desolation

Demo(2004/2010)/From:スウェーデン/Style:プリミティヴ│ディプレッシヴ

Durthang_demo

【Track】
1.The Embrace of Shadows in Bleeding Harmony
2.A Journey in Chains of Grief
3.Of Landscapes Shaped in Solitude
4.Passage Beyond the Cold Vales of Desolation

【Review】
二人組みブラック・メタル。元【Hypothermia】のNachtzeitとArchaicなる人物が演っている。

2004年に自主製作CDR(限定25枚だったらしい)をリリース、同年にInsiktなるレーベルからテープでもリリースされていた。そんな、どうしようもない惨めな音源をワザワザ2010年にWar Against Yourself RecordsがCD化したモノがコレ(笑)

何処を切っても希望の欠片も見当たらない湿気だらけの逸品。所謂、【Burzum】を元祖とするデプレであり、ユニット名も”ドゥアサング”と指輪物語に登場する城の名前に由来している点でも世界観的共通点ありますな。

ジリジリと耳障りかつ単調で沈み込む陰湿なギターリフ、気だるく常に一定のテンポを刻むドラミング、苦しそうに絶叫する初期【Burzum】のVargみたいなヴォーカル…。言わばオーソドックスでおしゃれさの欠片もない生粋のデプレといった所だろうか。かなり手堅い作風だが、この手の音源は他所で大量に量産されているので、ワザワザこれを選んで聴く必要も無さそうな没個性的な音源である。

とは言え、#3”Of Landscapes Shaped in Solitude(11分に及ぶインスト)や#4”Passage Beyond the Cold Vales of Desolation”は、生粋のデプレならではの暗鬱さが確かに光っており、例外なく気分をブルーにしてくれる。

オーソドックスかつ生粋のデプレに美学を感じる人向け。

因みにこのデモ音源と【Hypothermia】とのスプリットをリリース、たった1年という短い活動期間で解散している。