Gorgoroth

A Sorcery Written in Blood’93 & Promo’94

ブート盤(?)/From:ノルウェー/Style:ブラック・メタル

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【Track】
1.Gathered at Blåkulla (intro)
2.Sexual Bloodgargling
3.(Under) The Pagan Megalith
4.Katharinas bortgang
5.Måneskyggens slave

【Review】
Infernus率いるブラック・メタルの大御所。初期のデモ音源とプロモ音源をカップリングしてシレっとリリースされていた。

音源としては#1-#3が”A Sorcery Written in Blood”、#4-#5が”Promo’94”である。

貴重なデモ音源及びプロモ音源がCDで聴けるありがたい仕様なのだがブートレグなのが残念。因みに初期の段階でヴォーカルを務めるのはHatなる人物なのだが…実はこの人が凄かったりする(笑)冒頭の阿鼻叫喚なイントロから既に邪悪さが垣間見れ、本編も赤子が泣き叫ぶようなネットリ系高音絶叫(?)を余すこと無く聴かせてくれる。特にPromo’94(1STも同様)の唱法においては一際強烈である。これぞ”Voice Of Evil”だ。

一方、演奏に関しては、やはり【Bathory】辺りの影響下にある初期型ブラック・メタルを展開、大前提として邪悪さを主体としながら、ほんのりメロウだったり荒涼感を醸している。そこに邪悪極まりないHatのヴォーカルがネットリと絡み付くのである。これはタマラナイ(笑)当然、デモ音源やプロモ用の音源という事もあって音質が安定せず、それなりの音であるのだが取り分けて酷いってレベルでも無く、しっかり作られていると思う。

メロウな#5は名曲レベルなので初期型ブラック・メタルファン及び【Gorgoroth】ファンなら見かけたらブートとは言え、無条件で入手しておきたい逸品。

 

Pentagram

1STフル(1994/1999)/From:ノルウェー/Style:ブラック・メタル

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【Track】
1.Begravelsesnatt
2.Crushing the Scepter (Regaining a Lost Dominion)
3.Ritual
4.Drømmer om død
5.Katharinas bortgang
6.Huldrelokk
7.(Under) The Pagan Megalith
8.Måneskyggens slave

【Review】
ベースにSamothを迎え作成された作品(あくまでセッションメンバーとしての参加)。元々はEmbassy Productionsからリリースされていたが、数度に渡り再発されており名盤とされている。因みに筆者が所有している音源は1999年にCentury Blackから再発されたモノであり、その後も色々と再発している事から後世に語り継がれるべきアルバムの一つ。

これぞノルウェイジャン・ブラック・メタルの本質が詰まったお手本的な作品であり【Mayhem】【Burzum】【Darkthrone】【Emperor】【Immortal】【Satyricon】と並び90年代ブラック・メタルにおいては避けて通れないバンド。

音の方は、”A Sorcery Written in Blood”や”Promo’94”からクオリティが大幅に上がっており、路線はそのままで、トレモロの使用率が上げた事により荒涼感を大きく引き上げる事に成功している。また音の分離も結構しっかりしており、Samothのベースもちゃんと聴こえるし、緩急を付けながらもしっかりと無理なく走るリズム隊などメタルらしいカッコ良さがしっかりある。そこにHatの強烈なネットリ系高音絶叫ヴォーカルが濃厚に絡み付くのである(笑)結果として邪悪さをヴォーカルが何倍にも引き上げているのがこのアルバムの面白い所だと改めて思った次第。

どの作品でもそうだが【Gorgoroth】の基本的な作風として”絶対的な邪悪さが大前提”にある所が個人的に最大のポイントだと常々思っている。#4以降の楽曲が特に素晴らしい。初期ブラック・ファン悶絶だろう。

 

Antichrist

2NDフル(1996/1999)/From:ノルウェー/Style:ブラック・メタル

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【Track】
1.En stram lukt av kristent blod
2.Bergtrollets hevn
3.Gorgoroth
4.Possessed (by Satan)
5.Heavens Fall
6.Sorg

【Review】
ブラック界屈指のドラマーFrostが参戦。更には元【Obtained Enslavement】【Octagon】のPestがヴォーカルで2曲参加。

音の方は前作の延長線上でありながら、より荒涼としたメロディを全面に打ち出す素晴らしい完成度。またFrostが叩き出すドラミングで苛烈さが大幅に増したといえるだろう。また今回から初参戦したPestのヴォーカルもHatに負けずとも劣らないVoice Of Evilである。(後の3RDで素晴らしいパフォーマンスを発揮する)時折、朗々としたクリーンヴォイスが入ったりヴァイキングっぽい味付けが施されているので楽曲の幅も広がった様に思う。

前作にはオールド・スクール感が良い感じで混ざった味わい深いブラック・メタルを展開していたのに対し、今作ではいよいよお国柄が色濃く出たトラディショナルな部分をほんのりと導入している。よって、どの角度から聴いても純粋なノルウェイジャン・ブラック・メタル!そこには一切の不純物を含まない。

これぞTrue Norwegian Black Metal(通称TNBM)である。※Second-Wave Black Metalにおいてノルウェー産限定でお国柄を色濃く反映させたエリート・ブラック・メタルに贈られる(または自ら称する)称号みたいなモノ。【Mayhem】や【Burzum】を筆頭に【Taake】や最近では【Svarttjern】辺りなんかを指す。

 

Under the Sign of Hell

3RDフル(1997/1999)/From:ノルウェー/Style:ブラック・メタル

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【Track】
1.Revelation of Doom
2.Krig
3.Funeral Procession
4.Profetens åpenbaring
5.Postludium
6.Ødeleggelse og undergang
7.Blood Stains the Circle
8.The Rite of Infernal Invocation
9.The Devil Is Calling

【Review】
ヴォーカルが正式にPestへと代わり、ドラマーがFrostから【Borknagar】の故Grim(1999年にオーバードーズで他界)にチェンジした作品。もはや説明不要かと思うがブラック・メタル史上、一際ドス黒く輝く名盤。邪悪さ、衝動性、程よいトラディショナルさ…ブラック・メタルが持ってしかるべき要素がベストな割合で錬金された奇跡の作品。言うなれば”絵に描いたような(しかし、進化した)ノルウェイジャン・ブラック・メタル”とでも表現できるかと思う。

これぞ”Best Of Gorgoroth!”やたらとRawで破壊的かつ起伏のある演奏、時折香り立つトラディショナルな味わいはノルウェイジャンにしか出せないであろう塩梅。また、妙に軽快だが荒々しさが際立つクセになりそうなドラミング(スネアの音が何かをパシパシとシバいてる様な音)が音の個性を引き立てており、インパクトも十分。

そして特筆するは何かに憑かれたように喚き散らす鳥肌もんの高性能絶叫。時折、朗々とクリーンヴォイスで歌い上げたりとPestのヴォーカル・パフォーマンスが神憑り的。確実に邪悪さをワンランク引き上げており今回のアルバムが醸し出す邪悪さの主要素を担っている…と言っても過言ではない。

頭からケツまでテンションが下がる事が一切なく、衝動的な邪悪さを「100%出し切った!もうキバッても出ぇへん!」って感じが聴き手にもしっかりと伝わってくる逸品(なんのこっちゃ/笑)

ブラック・メタルの中でも何枚か墓場まで持って行きたいお気に入りのアルバムがあるのだが、この音源はその内の一つ。何度聴いても飽きない呪いが掛かっており、未だその呪縛からは開放されてない(笑)

筆者と好みが似てるかも?と感じたなら是非一度試していただきたい。尚、2011年に再録された”Under the Sign of Hell 2011”なるアルバムもあるのだが、当サイト的にはオリジナル盤を強く推奨する。

 

Destroyer,
or About How to Philosophize with the Hammer

4THフル(1998)/From:ノルウェー/Style:ブラック・メタル

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【Track】
1.Destroyer
2.Open the Gates
3.The Devil, the Sinner and His Journey
4.Om kristen og jødisk tru
5.På slagmark langt mot nord
6.Blodoffer
7.The Virginborn
8.Slottet i det fjerne (Darkthrone cover)

【Review】
大手Nuclear Blastへ移籍した第一弾。レコーディングが94年-98年にされている為、楽曲により新旧メンバーがごった返しており、ヤヤコシイ事になっている。詳細はMetal ArchivesへGo(手抜き/笑)結局、暫くヴォーカルを務める事になる【Trelldom】のGaahlが加入(#1のみ)、【Orcustus】のTormentorがギターで加入した事になる。

さて、音の方は【Gorgoroth】はヴォーカリストに恵まれているなぁといった印象があるのだが、今作から加入したGaahlも例に漏れず素晴らしいヴォーカリストである。その凄みが感じられるタイトル・トラック#1は正に今作を代表する一曲だろう。戦闘を予感させ一方的に攻撃している様な光景が脳裏に浮かびそうなブラッキン・スラッシュ調で攻め立てるゴキゲンなチューン。「でぇすとろ~いぎゃぁ~~」とブチ切れ絶叫が木霊する、このくだりで一気に持っていかれ、ストレートに悶絶したのは良い思い出(笑)

その他もノイジーで粒揃いの極悪チューンがずらり。音の重さを重んじた様な音作りであり音が寄り気味に調整されており音の分離が良いとは言い難く壮絶な轟音と化している。総じてブルータルな側面を全面に打ち出しており邪悪さに極悪さが加わった様な【Gorgoroth】らしいサウンドに仕上がっている。

尚、#8は【Darkthrone】のカヴァーだが、これまた極悪に仕上がっておりノイズ塗れの素晴らしいアレンジである(笑)出来が完璧すぎた3RD程のインパクトは得られないが、ブラック・メタル史上1ST-4THまでは割りと必修科目かと思う。

90年代ノルウェー産ブラック・メタルがどれ程までに強力だったかこの機会に改めて痛感した次第。

 

Incipit Satan

5THフル(2000年)/From:ノルウェー/Style:ブラック・メタル

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【Track】
1.Incipit Satan
2.A World to Win
3.Litani til Satan
4.Unchain My Heart!!!
5.An Excerpt of X
6.Ein eim av blod og helvetesild
7.Will to Power
8.When Love Rages Wild in My Heart

【Review】
故Grimに捧げられたアルバム。ベーシストにKing ov Hellを迎え制作された。今作もNuclear Blastからのリリーズ。

前作の路線を継承しつつ、色々と実験色が垣間見れる作品。一言で言えばダークかつヘヴィになった。特色としては時折、変なSEを挟んだりとノルディックさよりもカオティックさが大幅に向上。更にはヘヴィなリフを積み重ねるスタイルでミドルチューンが主体。なので1ST-3RDと比べると随分とモダンに聴こえる。

また曲によってはあからさまにシンセを使用したり、インダストリアル/ダークアンビエント風だったり幅の広さをアピールしておりこれまでとは少し毛色が違う。#8なんかはゴシック・ロックみたいな唱法で歌い上げてたりで最後に面を食らったりと、これまでを期待すると何かと調子が狂うアルバムだ(笑)

されど何処と無く漂う絶対的な邪悪さは健在だし、決してつまらないアルバムとは思わないが、【Gorgoroth】がワザワザこういう事をしなくても良いのでは?と感じた。

私的な話だが確か【Mayhem】の2NDを聴いた時もこれと同等の違和感を感じたのをふと思い出した。

 

Twilight of the Idols
– In Conspiracy with Satan

6TH(2003)/From:ノルウェー/Style:ブラック・メタル

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【Track】
1.Procreating Satan
2.Proclaiming Mercy – Damaging Instinct of Man
3.Exit – Through Carved Stones
4.Teeth Grinding
5.Forces of Satan Storms
6.Blod og minne
7.Of Ice and Movement…
8.Domine in Virtute tua Laetabitur Rex

【Review】
メンバーは相変わらず安定せずTormentorが脱退。またドラマーが交代し【Jotunspor】や【Bak de Syv Fjell】などのKvitrafnがドラムを叩いている。

前作のヘヴィでダークな雰囲気を継承しながら少し余計かと思われた諸々のアレンジが”ほぼ”払拭されストレートになった。(#7、#8はそもそもインストなので除く)ずっしりとしたミドル・チューンを盛り込みながらGaahlの凶暴なヴォーカルが冴え渡っており楽曲のドス黒さを引き立てており、より一層、極悪さを盛り上げている。またトラディショナルさや叙情性といった類を排除した印象の音源であり、無慈悲な極悪さが際立っている。色が無いと言うか愛想がないというか…

間違いなく怖い人が演ってそうな音楽に仕上がっている(笑)

そのまんまだが、Gaahl加入後の【Gorgoroth】スタイルの特色が一番色濃く出ている作品だと思う。ヘヴィな轟音サウンドに終始しており、メロディも薄く、キャッチーさがまるで無い極悪スタイル。メロディ派には少々キツイ感じかもしれない。

正にイカツイ、極悪ブラック・メタルである。

 

Ad Majorem Sathanas Gloriam

7TH(2006)/From:ノルウェー/Style:ブラック・メタル

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【Track】
1.Wound upon Wound
2.Carving a Giant
3.God Seed (Twilight of the Idols)
4.Sign of an Open Eye
5.White Seed
6.Exit
7.Untamed Forces
8.Prosperity and Beauty

【Review】
Kvitrafnが脱退。ドラマーが不在となったがFrostがヘルプで参加したアルバム。

ヘヴィなリフと聴き手を煽るスラッシーなリフ、そしてブラック・メタルらしい仄かな叙情性(荒涼感)を携えつつも絶対的な禍々しさがキラリと光る。そういった各々の要素が実にバランス良く配置されている傑作ではないだろうか。また、Gaahlのヴォーカルも様々な声色を使い分けており表現力が如実に上がっているし、Frostの超絶ドラミングをキッチリと活かしておりキレのあるファスト・チューンが増量されているのは素直に嬉しい。

スラッシーに聴き手を煽る#1や猛然と走る中に荒涼感が漂う#3、破壊的なノイズを撒き散らす#5など、どの楽曲も粒揃いだが個人的に特筆したいのは#8”Prosperity and Beauty”である。荒涼感を大胆に表現した実にメロディアスな楽曲を演っており、3RD以降この様な荒涼感を全面に打ち出す楽曲をあまり演らなくなった印象だったが、ここにきて禁欲の末に開放されしダイナミックなメロディに悶絶した次第(笑)再び【Gorgoroth】でこの様なメロウさが聴けるとは思っていなかった分、感動も一入だった。

尚、この後、GaahlとKingが【Gorgoroth】の名前を巡って創造主Infernusを解雇しようと裁判をおこした。結果、Infernusが【Gorgoroth】を勝ち取った。一方、GaahlとKingは脱退し【God Seed】を結成。(このアルバムに収録されている曲#3から名前を拝借していると思われる)分裂し袂を分かつ事になってしまった。

なんとも険悪なムードの中、製作されたと推測される作品だが完成度は高い。Good!

 

Quantos Possunt ad Satanitatem Trahunt

8TH(2009)/From:ノルウェー/Style:メロディック

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【Track】
1.Aneuthanasia
2.Prayer
3.Rebirth
4.Building a Man
5.New Breed
6.Cleansing Fire
7.Human Sacrifice
8.Satan-Prometheus
9.Introibo ad Alatare Satanas

【Review】
Gaahlとkingが脱退後、新生【Gorgoroth】として再スタート。Pestが再び出戻りで加入、ドラマーは元【Dissection】【Dawn】のTomas Asklund、ベースは元【Obituary】のFrank Watkinsこと Bøddelがそれぞれ担当している。

ミドルチューンが中心ながらも力強さとキビキビとした演奏に叙情的な哀愁さを加えた様なスタイルに移行した。よって楽曲自体から発せられる邪悪さは随分と下がった一方、リフを主体とするメロデス路線へとバランスが一気に傾いた模様。

ぶっちゃけ、いつもの【Gorgoroth】っぽくはない。落ち着いてしまった印象が拭いきれず、個人的にはどうも煮え切らない作風。駄作と言うほどでもないモノの、演奏に邪悪さが然程感じられないのが誠に残念。34分弱しか無いアルバムだが何故かもっと長く感じる作品(苦笑)

しかしながらPestのヴォーカルだけは頑張っており、往年の凄まじさこそ無いモノの相変わらず一級の邪悪さを放っている。

 

Under the Sign of Hell 2011

9TH(2011)/From:ノルウェー/Style:ブラック・メタル

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【Track】
1.Revelation of Doom
2.Krig
3.Funeral Procession
4.Profetens åpenbaring
5.Ødeleggelse og undergang
6.Blood Stains the Circle
7.The Rite of Infernal Invocation
8.The Devil Is Calling

【Review】
名盤のリレコーディング作品。

ワザワザ名盤を焼きなおす必要があるのかどうかに疑問を抱いたが、興味津々だったので購入…。が、しかし!いつでも売ってるだろうと先延ばしにしてたら…これが何処にも売ってない!困った!ということで…不本意ながらもAmazonのデジタル音源に手を出してしまった次第(涙)今まで執拗にまで現物にこだわってたんだが無いモノはしゃーないですな。ということで人生二度目のデジタル音源購入。(因みに初デジタル購入は誕生日プレゼントにもらったitunesのギフトカード消費目的で【Fides Inversa】の2NDを購入したのが一発目/笑)

さて、本作に話を戻すとオリジナルでもヴォーカルを務めていたPestがヴォーカルを担当、新たに加入したTomasがドラムを叩き、Infernusがギターとベースを兼ねてレコーディングされている。今作ではオリジナルより一曲少なく、オリジナルにて#5に収録されていた不気味なインスト”Postludium”が省かれている事を除くと余計なアレンジを施す無くほぼ忠実に演っている。故に楽曲の完成度は極めて高いのはそのまま据え置きである。

ただ、音が理性的になり、えらい丁重な演奏になっており元々メロディアスな楽曲群だったのに輪をかけてメロディアスになった印象を受ける。明らかに柔らかくマイルドになったと言えるだろう。音質の向上や演奏が丁重になった事により細かい所まで実によく聴こえるのである。その代わり邪悪さと言うか刺が完全にスポイルする結果になっており個人的には至極残念。しかしながら元々楽曲が良いのでこの辺は好みになるのかな?個人的にはオリジナルのRawさと過剰なまでの荒々しさ、それに伴って醸しだされていた圧倒的な邪悪さに惚れていたので…コレはちょっと違う。

本作から聴く方の目線とオリジナルを知っている方の目線では明らかに評価は異なるのは重々承知しているが、取り敢えず当サイト的にはオリジナル盤を強く推薦したい。

 

Instinctus Bestialis

10TH(2015)/From:ノルウェー/Style:メロディック

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【Track】
1.Radix Malorum
2.Dionysian Rite
3.Ad Omnipotens Aeterne Diabolus
4.Come Night
5.Burn in His Light
6.Rage
7.Kala Brahman
8.Awakening

【Review】
Regain RecordsからSoulseller Recordsへと移籍。ヴォーカルがPestから【Triumfall】のAtterignerへと変わった。演奏隊は8TH以降、比較的安定している模様。尚、3人のゲストミュージシャンが#5-#6でリード・ギターで参加している。

音の方は【Gorgoroth】特有の毒が薄まって良質なメロディック・ブラックになった印象。路線としては7THの勢いに8TH的手法が盛り込まれた感じだろうか。ファストなパートからミドルと繋いだり楽曲にはしっかりとドラマティックで緩急が付いており普通にナイスな仕上がり。また楽曲によってはゲストミュージシャンによる【Gorogroth】としては初の流麗なギターソロが乱舞したりオーセンティックなメタルの息吹が感じられ新境地を切り開いている。また新ヴォーカリストは歴代の個性派ヴォーカリストと比べ、インパクトは薄いモノのなかなかドスの利いたガナり声で安定度は抜群。Tomasのドラミングもスピード、手数足数共に大幅にパワーアップしている。

総じてクオリティが高い非常に良質なメロディック・ブラックを掲示しているのだが…困った事に【Gorogoroth】っぽさは完全に潰えてしまった。

もしかしたら彼らが目指す次なる着地地点は最近の【Keep of Kalessin】スタイルだったりして…いや、いくらなんでもソレは考え過ぎか(笑)