I Am Death

1STフル(2013)/From:ギリシャ/Style:シンフォニック

デジパック・アートワーク
ブックレット・アートワーク

【Track】
1.Litrosis
2.Insomniac’s Lullaby
3.Soulcide
4.Burn the Sun
5.Countless Wounds
6.I Am Death
7.Bloodred Desert Plain
8.In the Grave You Go Alone
9.Bury the Dead

【Review】
圧倒的なメロディを放つテクニカルな5人組ブラック・メタル。正統派メタルバンド【Savatage】【Circle II Circle】などで活躍しているZak Stevensがゲスト参戦、Pitch Black Recordsからのリリースされた(CD-Rで333枚限定:293/333)。

ブラック・メタルが持つ根暗さや邪悪さをそっくりそのままヒロイック・ファンタジーに置き換えた様な、凡百のブラック・メタルとは一線を画すスタイル。されどエクストリームで苛烈な部分もしっかりと入っているので、ブラック・メタルとしては実に異端かつ極端と言えようか。

ブラック・メタルらしからぬテクニカルに弾きまくる速弾きギターがこのバンドのメイン・ウェポンであり、それに追い付けと追い越せと乱舞しまくるピロピロしたキーボード、ドラマティックに緩急を付けつつも、猛烈な押しでせまる前傾姿勢のブラスト・ビート(これがまた強力!)が脇を固めている。

実際、ブラック・メタルとして聴けそうな楽曲は#2”Insomniac’s Lullaby”位のもんで、曲が進むごとに右肩上がりに大胆になっていく。#4”Burn the Sun”辺りからいよいよ本領を発揮し、以降はブラック・メタルを聴いている感じがほぼ無いに等しく、良質なメロスピをベースにしたブラック・メタルがスリリングに展開されるのだ。

無理やり引き合いを出すなら【Dragon Force】っぽい最近の【Keep of Kalessin】といった趣だ(笑)。

また、極め付けは#8”In the Grave You Go Alone”において、ゲストミュージシャンのZak Stevensによる伸びやかなクリーン・ヴォーカルとやたらとエモーショナルな泣きのギターで綴る実に普遍的なHR/HMの楽曲を演ってたりと大きな爆弾を仕込んでたりする。

邪悪であってこそのブラックと思っているピュア・ブラッカーにとっては恐らく眩しすぎる作風だと思われるが、単純にヘヴィ・メタルとしての耳触りはインパクトがあるモノに仕上がっており、メロスピとブラックを両方満遍なく聴く人に強くオススメできる逸品だ。

何よりも中途半端さが一切なく、ある意味、突き抜けてるので流石にぐうの音も出ない。コレはズバリ、カッコイイぞ!Great!