Nebiros(Ger)

Stacheldraht

Demo(2003/2007)/From:ドイツ/Style:ブラック・メタル

nebiros_demo

【Track】
1.Psalm – I
2.Psalm – II
3.Psalm – III
4.Psalm – IV
5.Psalm – V
6.Stacheldraht
7.Genital Putrefaction /R.I.P./
8.Imperium Œmierci (The Empire of Death)
9.Zemsta (Revange)

【Review】
2003年のデモ音源(CD-R)にボーナストラックを2曲追加、Fallen Angelより2007年に再発されたプレス盤。南米コロンビアにも同名のバンドが居てるが、こちらはドイツ産。現在は3人組ブラック・メタルだが、このデモ音源の時点では二人組みの模様。

緩急はある程度付いているモノの突っ走りがメインのストレートなブラック・メタルを展開。終始ネクロなリフを荒々しく掻き鳴らし、感傷的で甘ちょろい要素など皆無の極悪音源に属する。随所に凄惨なSEや戦争系SEを盛り込んでおり正にイメージ通りといった所だろう。リフがあまりにも平坦かつストレートなので、正直あまり面白みを感じなかったが、押し捲る極悪音源が好みなら良いかもしれない。個人的にはリフにもう少しフックが欲しかったのが本音。

しかしこの極悪さ、意気込みにはシビれる。

 

Kurwa Satana

1STフル(2008)/From:ドイツ/Style:ブラック・メタル

nebiros_1st

【Track】
1.Pluje krwia
2.Testament
3.Lawina zguby
4.Zatrata
5.Otchłań marności
6.Obraz pustki
7.Pomiędzy światłem a ciemnością
8.Chrom
9.Brain Damage
10.Bezlitosny

【Review】
3人組ブラック・メタル。名門No Colours Recordsからのリリース。No Keybord、No Female Vocalを地でいくようなブラック・メタル。

デモ音源”Stacheldraht”の時は只管に突貫していたが、今回は随所にオールドスクール風のリフやノリが感じられるようになった。相変わらずネクロなリフで構成された音源ではあるが、オールドスクールなリフを随所に散りばめる事によって楽曲にある程度の緩急が生まれてきた感じだろうか。それに合わし部分的にノリが良い2ビートで走ったりもするので、突貫ばかりでは疲れてしまうオッサンには今回の方が気持ち良かった次第(笑)

とはいえ、向こう見ずに突っ走っている路線には変わりなく、主軸は何一つ変わっていない。相変わらず極悪な印象は保たれているので安心して聴ける。ただ、前作同様にリフが弱く感じられ(ある程度、改善はされている)、あともう一声盛り上がる様なフックをリフに盛り込んで欲しかった。

と、まぁ、なんだかんだ言いながら、極悪さ、意気込みはいつの時代に聴いてもカッコ良いモノだ。Good!

 

VII

2NDフル(2015)/From:ドイツ/Style:ブラック・メタル

nebiros_2nd

【Track】
1.Intro: VII
2.Zakon czarny
3.Boga ciało
4.Matka kurwa
5.Galaxis
6.Jabol
7.Na placu piekła
8.Staruch
9.Ponure ciene
10.Pożądanie
11.Legion
12.Outro

【Review】
今回はFolter Recordsからのリリース。大幅に路線を変え大化けした2ND。

直線的で暴虐的であった路線から、大胆にもシンセを取り入れたり、メタリックな色気があったりと展開や雰囲気を重んじるようになった。個人的に前作の路線のままフックを強化したモノを期待していたのだが予想を良い意味で裏切り、ダイナミックかつドラマティックに変貌を遂げた。殆ど別バンドといっても過言ではない位の変貌だ。

懸念していたリフの弱さは完全に払拭されているし、メタリックな色気を放つメロディが入ったり、シンセを大胆に導入しての雰囲気作りが以前までと完全に異なっている。

言い換えれば、決してやりそうに無かった事を堂々とやってしまっているのである。

暴虐的な過去の片鱗は随所で見受けられるのだが、これも展開に応じて使い分けるといった感じであり、ザクザク刻んだり、オールドスクールっぽいリフをノリ良く入れたりで、リフ捌きがバラエティ豊かになっている。

決して期待していた路線とは違うが、これはこれで良くなったと個人的に受け止めることが出来た。聴き易くなったとはいえ、軟弱になったワケではない。

機会があれば是非とも1STと2NDを聴き比べてみて欲しい所だ。個人的にはGreat!