Light of a Dead Star

1STフル(2002)/From:フランス/Style:ブラック・メタル

Nehemah 1st

【Track】
1.The Witch Burns…
2.Light of a Dead Star
3.Across the Landscape
4.In October Nightshades
5.Nehëmah in Vulva Infernum
6.I Will Sleep with the Dragon
7.Misty Swamps
8. …In the Heat of the Flames

【Review】
フレンチ・ブラックの良作の一つとして挙げられるアルバムである。

フランスらしい憂いや変態度は全く無く、ノルウェイジャン・スタイルを忠実に貫いている。荒涼としたノイズを重ねていくリフ、薄ら寒く幻想的なシンセが楽曲全体を霧の様に薄っすらと包み込み疾走する。この様に古き良き時代のノルウェイジャン・ブラック・メタルを意識した楽曲がズラリと並ぶ。個性と言う面では今ひとつだが、見事なまでにスベらないブラック・メタルである。また、特徴的なのは無視されがちなベースを蔑ろにせず、しっかりと活躍な場があり、楽曲を主導していく辺りはブラック・メタルとして個性的と言っても良いかもしれない。とにかく楽器のバランスが良好で、シンセの割合もいい塩梅、全てが上手く機能していると思う。雰囲気、邪悪度、ブラック・メタルとして求められる要素が全くブレる事が全く無く、安心して聴ける事請け合いである。

基本に忠実、そして丁重に組み立てる大真面目なブラック・メタル。推薦盤。

Shadows from the Past…

2NDフル(2003)/From:フランス/Style:ブラック・メタル

Nehemah 2ND

【Track】
1.Black Winds over the Walls of Csejthe
2.Sønner Av Den Fimbulvetr
3.The Thousand Tongues of Medusa
4.Warlock
5.Siguilum Sanctum Lycantropia
6.Shadows from the Past…
7.Selvmord
8.Drawn in Darkness
9.Call from the Grave (Bathory cover)

【Review】
前作と同じ方向性は変わらず、徹頭徹尾ノルウェイジャン・スタイルを貫いている。少しだけメロディが全面に押し出されており、場面展開も豊富になってきた。完全にプロダクションの問題だが、ギターの音圧は少し下がった模様。相変わらずベースが良く動いており楽曲の体幹を支え、上手くコントロールしているのが特徴的。ただ、分かり易くなった反面、漂わす雰囲気は前作には及んでおらず、アルバムの内容は前作の方に軍配が上がるが、良作である事には違いない。ヴォーカルも地味にレベルが上っており、#4”Warlock”等で聴かれるイーヴィルな声は非常にカッコ良い。ただ、あまり面白味のないミドルチューンが多いので聴き通すと後半少しダレる部分が気になった次第。まぁ、この辺の微妙な感覚は個人の嗜好範囲の誤差であり、ホント、個人的な主観でしかない。よって、音楽性を覆す程、大きくは路線は変わっていないのであしからず。

ラストは【Bathory】のカヴァーで締め括っている。

Requiem Tenebrae

3RDフル(2004)/From:フランス/Style:ブラック・メタル

Nehemah 3RD

【Track】
1.Creeping Chaos
2.The Great Old Ones
3.Dead but Dreaming in the Eternal Icy Waste
4.The Elder Gods Awakening
5.In the Mists of Orion’s Sword
6.Taken Away by the Torn Black Shroud
7.Conscience in Evil
8.Through the Dark Nebula

【Review】
展開が大幅に増した印象である。加えてメロディが明らかに強化され、シンセもよりダイナミックにフィーチャーされている(リードメロディを奏でているワケでは無い。あくまで雰囲気作りとして機能している)少しワザとらしさが出てきた印象だ(笑)なんと言うか、1STの頃の硬派なバランスや、さりげなさが無くなってきた様に思う。言い方を変えると方法論が大胆になったと言えるだろうか。故に楽曲自体にメリハリが付いており、2ND以上に分り易い音になっていると思う。メロディが明確化になったからと言って、メロデスまで甘くは無く、邪悪さがスポイルされていると言った事は無い。逆に上手くデフォルメできた感じである。雰囲気も明確化されているので順当に進化したと受け取った次第。尚、特徴的だったベースは若干だが引っ込んだ模様。全体的に分厚くなっているのでベースが目立たない程にメリハリが付いたって事だろう。

個人的には1ST>3RD>2NDの順にオススメ。