Paleas Comburet Igni Inextinguibili
Quam Angusta Porta Et Arta Via Qua Quae Ducit Ad Vitam Et Pauci Sunt Qui Inveniunt Eam
Demo(2017)/From:オランダ/Style:Raw│Lo-Fi│アン・ブラック・メタル
【Track】
1.Show me, Lord, my Life’s End and the Number of my Days
2.The Fruit of the Righteous is a Tree of Life
3.Integrity of the Word and the Deed
【Review】
メンバー構成などが一切不明のアン・ブラック・メタル。The Throatからリリースされた通算2本目のデモ音源カセット(50本限定:42/50)全3曲で約25分程。因みにうっかりして入手しそびれたが同年に”Amen Amen Dico Vobis Quia Qui Verbum Meum Audit Et Credit Ei Qui Misit Me Habet Vitam Aeternam”なるタイトルのデモ音源がリリースされている。そちらも限定50本だった。
この誰もが気になるであろうクソ長いタイトルは、新約聖書”マタイによる福音書-第7章14節”から拝借しているらしく、ラテン語で「命にいたる門は狭く、その道は細い。そして、それを見いだす者が少ない。」という意味になっているそうだ。
この深すぎる節の意味はさておき、Lo-Fi系×アン・ブラック・メタルという妙な組み合わせはこのバンドが業界初なのではなかろうか。音の方はアン・ブラック・メタルであってもなくても”極北”と言える内容で、ここ数年の間、アンダー・グラウンドで活性化しているLo-Fiブラック・メタル群に耐性がなければ恐らく雑音にしか聴こえないだろう聴き手を選ぶ音源である。
ただただ不協和音を撒き散らすリバーブの効いた耳障りなギターに支配されており、しっかりと荒涼とした抑揚がついているモノの輪郭不明瞭なギターノイズで楽曲の軸がぼやかされている。時折、ダンジョンの奥から聴こえてくるような様なヴォーカルが入っているが控え目かつ、あまり多くを語らない感じがなかなかクール(殆ど呻き声にしか聴こえないが/笑)。また聴き終えた時に「あれ、ドラム鳴ってたっけ?」(鳴ってるのだが)と錯覚する程、ノイジーでミニマルなリフが聴き手の感覚を曇らせるのである。
どちらかと言えば”聴くんじゃない、感じろ!”的な突き放したスタンスにも聴こえるが、これでもまだLo-Fiブラックの中では比較的聴きやすい方で、この音を「雑過ぎる!」だとか「ちゃんと演奏せい!」と思ったのなら、その評価はナンセンスだ。そもそも、これが真っ当なLo-Fiブラックなのである。
あまり多くの人に賛同してもらえないかもだが、筆者はこれがカッコイイと信じている。完全にフェチ向け、ごくごく狭いコミュニティーの中でのみ需要がある敷居の高い音源だ。
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