The Path of Memories

EP(2006)/From:ベネズエラ/Style:ディプレッシヴ

【Track】
1.Intro
2.Destiny’s Illness
3.To the Past…
4.Outro

【Review】
ベネズエラの4人組ブラック・メタル(解散してる)。限定300枚(123/300)でVacío Abismal Records(Closed)なるレーベルから最初で最後のリリース。どうやらDVDケースサイズのヴァージョンも存在しているらしくそちらは200枚生産された模様。

Metallumを見てみると1999年に結成されておりいつ解散したかは不明との事。極めて情報の少ないブックレットから読み取ると楽曲は2001年に書かれており、2004年に”遺言”として登記されたとされている。恐らく遺言イコール解散という意味合いだろうと推測できるが…。

まぁ、こんな誰も知らないようなオブスキュア極まりない作品であってもマニア好みのダークな楽曲を作っていたりするワケである。

音の方はノイジーで不明瞭なギターを掻き鳴らしつつもその残響からFuneralな雰囲気がありありと伝わってくるデプレッシヴ・ブラック・メタルといった趣だ。狂気とも悲痛にも似た絶叫が響き渡り、仄かに悲哀を感じさせる残響による雰囲気作りが何ともダーク極まりない雰囲気を作り上げている。

明快なリフによるメロディなどはあまり感じさせず、あくまでノイジーなギターの残響で訴えかけてくるといった、言わばアンビエント気質な部分が味わい深く、この路線の楽曲をフルレングスで是非とも聴きたかったと思わせる内容だった。如何せん4曲(うちインストが二曲)しかないので流して聴くと12分弱と一瞬で終わってしまう内容なのが些か残念ではあるモノの、短いながら確実に暗鬱な空気を作り出してくれる音源だ。

尚、引き合いに出すなら初期【Baltak】(1ST)がディプレッシヴな方向へと進んだらこんな音に仕上がるんでは?といった表現が真っ先に思い浮かんだが…これってよっぽどのマニアでないと伝わらないんだろうなぁ…(笑)