Thy Winter Kingdom

Opus I – Discipline of the Elements

EP(2001)/From:イタリア/Style:プリミティヴ

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【Track】
1.Preludium…
2.Fire
3.Water
4.Air
5.Earth (Mother)
6.Postludium…

【Review】
三人組ブラック・メタル。曲名をみても判るように自然をテーマに扱った自然派バンドである。

自然の四大要素、火、水、風、地といった曲名が並び、各楽曲に因んだSEが収録されている。パチパチと火が燃えているSE、ちょろちょろと水の流れる音、ビュービューと風が吹いている音、ゴォォォォと地鳴りがなっている様な音など、この辺はテーマに沿っており非常にわかりやすい。楽曲は掻き鳴らしリフ+トレモロを主体とし、比較的、緩急あるプリミティヴなブラック・メタルを踏襲しつつ、四大要素を描いている。アコギを絡ませた#4(インスト)など叙情的な一面もあるが、如何せんEP(18分弱)なので、音から雄大さがあまり伝わらないまま終わってしまうのは残念。とは言え、”四大精霊と響きあうブラック・メタル”(笑)と言うコンセプトは曲間にあるSEと分り易い曲名もあって、一応、我々日本人でも伝わるようには出来ていると思う。

正直、いまいち煮え切らない音源だが、この後のフルレンスで化ける事になる。

 

Opus II – Innerspectrum

1STフル(2004)/From:イタリア/Style:プリミティヴ

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【Track】
1.Preludium
2.Lucid Misantrophy
3.Old Throne Divine
4.Bleeding Scars (Of Suppression)
5.Nocturnal Monologue
6.Path Through Forests of Bliss
7.Castle of Ice
8.Monologue to the Night
9.Black Void

【Review】
寒々しいアートワークがツボの”冬の王国”第二弾。

相変わらず掻き鳴らし+トレモロで構成された典型的なプリミティヴ・サウンドなのだが、勢いと邪悪さ、そして何よりも寒々しさがパワーアップしているのが何よりも嬉しい。特に#3以降の楽曲において顕著に表れており、素晴らしい。トレモロ・リフが奏でるブラック・メタル然としたメロディや質感ともに格段と良くなった。また、クリーンヴォーカルで朗々と歌い上げる部分やアコギを絡ませる部分なども程よく設け、土着色がより強まった様に思う。加えて、ドラムの勢い、ガリガリと鳴っているベースも力強くなっており、総じて格好良く進化している点も見逃せない。それらがバランス良く盛り込まれ、90年代ブラック・メタルのリスペクトっぷりをしっかりと堪能できる作品である。シンセも味付け程度には使用しているモノの、決してそれらに頼らない寒々しいプリミティヴ・ブラック・サウンドが好きなら間違いなく傑作の類。

筆者の様な90年代のブラック・メタル好きにはタマラナイ作風。