Baltak

Macedonian Darkness and Evil

1STフル(1995)/From:オーストラリア/Style:NS│ウォー

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【Track】
1.Svetot Umira (Makedoncite Se Borat)
2.Umiram Sega
3.So Umrenite Odum
4.Me Zakopva
5.Vampir
6.Odum Dolu So Nimi
7.Svetot Placi Za Mene
8.Makedoncite Se Tepat
9.Me Kolat

【Review】
Battlegod ProductionsのオーナーであるGorgorothが率いる古代マケドニア王国に酔狂した、自称True Macedonian War Metal。尚、【Buio Omega】にもヴォーカルとして活躍している。

マケドニア王国のシンボル”ヴェルギナの太陽”を掲げ、アレクサンドロス大王に忠誠を誓い(?)戦いに身を投じる様を描いたジャケがイカス。ってなワケで出身はマケドニアと言いたいところだが、Metal Archivesによるとオーストラリア出身との事でした…。旧サイトではマケドニア出身と書いてしまったので、この場を借りて謝罪します。申し訳ございませんでした。

しかし、マケドニア愛が否が応でも心に響くので、この際マケドニア出身でよしとしようではないか!その方がきっと彼も喜ぶだろう(笑)

さて、音源の方は一言で言えば、騒々しい初期【Darkthrone】といった曲調をイメージして頂けたら良いだろう。展開が節々にあるモノの、このアルバムでは、ほぼ直線的なブラック・メタルである。エコーが利いたヒステリックな絶叫に乗せて高らかにマケドニアン魂を叫び、機械的なツタツタ2ビートと高速ブラストが鳴り響く。甲高い絶叫と人工的なドラムの音が相まって、騒々しいったらありゃしない(笑)曲によってはギターソロが入ってたり、#8辺りなんかは混沌と細かく動くリフ、そして絶叫が相まって結構強烈な印象を残したりする。

今となっては別段凄いことを演っているワケでは無いのだが、当初は結構インパクトがあった様に思うし、何故か個人的に気になってしょうがないバンドだった。

 

Zaginatiot Grad (The Lost City)

2NDフル(1997)/From:オーストラリア/Style:NS│ウォー

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【Track】
1.Umren (Dead)
2.Goram Vo Ogan (Burning In Fire)
3.Vremeto Me Dode (My Time Has Come)
4.Vo Borba (In Battle)
5.Svetski Rat (World War)
6.Kese Vratam (I Will Return)
7.Magija (Black Magic)
8.Zaginatiot Grad (The Lost City)
9.Sacrifice

【Review】
前作の延長線上にあるマケドニアン・バトル・ヒストリー。

ブックレットにレコーディングのデータが記載されているのだが、古代マケドニア・カレンダーに基づいた表記であり”7501-7504”などと記載されている。一体いつやねんとツッコミを入れつつもその酔狂っぷりにニヤニヤしてしまうのである。

嗚呼、愛おしい(笑)

音の方は【Baltak】ファンなら悶絶必至!のナイスな完成度(果たしてどれだけ日本に居るのか…だが/笑)前作で若干弱かったリフがよりダイナミックになり大幅パワーアップしている。退廃的な荒涼感とメロウさ、そして野蛮さが加わった感じであろうか。それらが顕著に表れた#2辺りは本作におけるキラーチューンであり非常に格好良い。

相変わらず絶叫の宴&全曲疾走しっ放しの一本槍な部分はしっかりと継承しているのだが、前作で若干弱く感じたリフを強化したことにより随分と聴きやすくなったと言える。故に騒々しいだけでは無くなった所が今作におけるポイントである。

若干、尻切れ的に楽曲が終わる所が気になるが、まぁ些細な事だ。【Baltak】入門として最適(笑)

 

Kral Na Dva Svetoj (King of Two Worlds)

3RDフル(2000)/From:オーストラリア/Style:NS│ウォー

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【Track】
1.Intro: March To Egypt – Pharoah Of Egypt
2.Makedonija Ke Se Vrati (Macedonia will return)
3.Svetot Moi (My Kingdom)
4.Kral Na Dva Svetoi (King Of Two Worlds)
5.Son Of Zeus Ammon
6.Bucevole (Great War Horse)-Son Of Zeus Ammon
7.Makedonska Phalanga (Macedonian Phalanx)
8.A King Was Born
9.Stench Of Death/Reaking The Heavens

【Review】
展開を重んじる作風に変化。

民族的ルーツに基づいたアレンジが限定的に施されており(太鼓や民族楽器、マケドニア語によるスポークン・ワード等)やや大作志向にスイッチし曲によっては、これまでよりやや長尺気味。大作志向とは言え、喚き散らすヴォーカルと打ち込みっぽいドラムと言った基本的なスタイルは変わらないのだが、リフが不協和音全開で奇妙かつ独特なメロディを奏でている。前作のブラック・メタル的なキャッチーさ(?)は影を潜めている様に思ううしクセも強い事から好みが分かれる所だろうか。一貫して戦いに明け暮れたマケドニア王国の戦歴を綴るエピックなアルバムであり雰囲気重視な側面が強いのが今作の特徴である。

その一環として生粋のマケドニア人である俳優、Petre Temelkovskiなる人物をゲストとして迎えている。(詳しくは知らないが映画や演劇出身だそうだ)彼の仕事っぷりは#6と#7において、アツいスポークン・ワードを披露しており、聴き慣れないマケドニア語(?)で力強く語っている。

困ったことに楽曲以上の破壊力があったりする(あかんやん/笑)。

尚、これは余談なのだが#7のスポークン・ワードには空耳ネタがあり「どでかいアース」や「ボチボチ、サーフィンやりてぇ~」って聴こえる部分がある(笑)。旧サイトの今は無き”空耳コーナー”で話題になったのをふと思い出した…懐かしい。。

しかしながら、空耳の後に放たれる「マケドンスカァ!ファランガッ~!」と勇壮な言葉の後に楽曲とリンクして行く流れはいつ聴いてもテンション上がる!

 

Makedonski Boj (Macedonian War)

4THフル(2003)/From:オーストラリア/Style:NS│War│スラッシュ

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【Track】
1.Makedonski Boj (Macedonian War)
2.Odime Na Borba (Going To War)
3.Bolni Luge (Sick People)
4.We The Macedonians
5.Sega I Sekogas (Now & Forever)
6.Svetot Gori (World Burning)
7.Filip Od Makedon (Filip Of Macedon)
8.Nesvess (Unconscious)
9.The Un-Greek Barbarians

【Review】
大きく路線変更した音源。

アートワークからも判断できるようにバーバリックで野蛮な勢いに乗って放たれるスラッシュ然とした楽曲を展開。これまた思いっ切りの良い舵の切り方なので、当初は面を喰らったのが思い出される。前作の流れでエピックな要素を強めてくると予想していたのだが….。

最早、楽曲にこれまで築き上げてきたブラック・メタルらしい面影は完全に打ち消されている。

路線の変更に基づき、ドラムが非常にRawになっており、以前までの人工的な印象のリズムは完全に払拭された模様。放たれるリフも何処と無く【Aura Noire】の2ND辺りを彷彿とさせる様なダイナミックなリフになっている。また、ヴォーカルに関しても随分と唱法が変わっており、キツイ灰汁が残るエキセントリックな吐き捨て型になっている。そこに関しては個人的に【Goat】辺りを連想した(笑)

まぁ、良いか悪いかは別として…筆者にとっては”これじゃない感”が半端無かった。

コレはコレで楽曲に関して言えばスラッシーで格好良いのだが…筆者が【Baltak】に求めるモノには程遠く、残念な仕上がりとといった位置付けである。