Beatrìk
Beatrìk
Journey Through the End of Life
1STフル(2003)/From:イタリア/Style:ディプレッシヴ
【Track】
1.Buried Among Skeletal Woods
2.To Feel the End Near
3.Charon’s Embrace
4.Beatrìk
5.Last Dawn
6.Journey Through the End of Life
【Review】
二人組みブラック・メタル。Total Holocaust Recordsからリリースされた。
ジワジワと侵食していく陰湿さとブラック・メタル特有の緊迫感を併せ持ち、おそらくディプレッシヴの範囲で語られるであろう楽曲を展開。ゆったりとミドル~スローな展開が続くと思いきや、啖呵を切った様に疾走したりと楽曲にしっかりとした緩急が付いており全く飽きさせない。
疾走する部分はあくまでブラック・メタルのソレであり、ある意味ディプレッシヴ系に偏り過ぎないバランス感覚が絶妙。例を挙げると#2”To Feel the End Near”がこの音源の性質がよく表れた好例。上手いことバランスの取れた素晴らしい楽曲だ。またディプレッシヴな観点では#5”Last Dawn”と#6”Journey Through the End of Life”が暗鬱さから滲み出るメロウさが特に際立っておりこちらも言わずもがな強力である。
なんだか妙な表現で誤解を生みそうだが”ブラック・メタルらしいディプレッシヴ・ブラック・メタル”とでも表現したくなるような逸品であった。尚、全体的な趣としては樹海をイメージできる様な雰囲気に浸れる内容。
何気に全曲素晴らしく、これはもう名盤として数えても良いかと思うクオリティだ。Great!
Requiem of December
2NDフル(2005)/From:イタリア/Style:ドゥーム│ディプレッシヴ
【Track】
1.My Funeral to Come
2.Requiem of December
3.Eternal Rest
4.The Last Wandering
5.Apollonia’s December, 7th 1647
6.Returning After a Death
【Review】
名門Avantgarde Musicからのリリース。誠に残念ながら今作で解散してしまった模様。
ディプレッシヴな要素をもう一段階踏み込む事には?と言った問いかけに彼らが導き出した答えがドゥーム・メタルだった。今回はそういったドゥーム調の要素を盛り込みより深みのある方向へと駒を進めた。ブラック・メタルらしい緊迫感は残されているモノの前作と比べるとやや後退している。よってディプレッシヴな印象はより強固なモノとなっており、バランス型と言うよりかは特化型になったと言えるだろう。
また要所要所でドゥーム調の深く奈落の底へと突き落とすスローパートが、ごく自然に展開として溶け込んでおりこれが良い塩梅で暗鬱度を高めているように思う。#8”Returning After a Death”においてドゥームっぽさを炸裂させながら悲愴トレモロを重ね、これでもかと言わんばかりに悲愴感に満ち溢れた実に素晴らしい楽曲。またアルバムの随所で使用されているパイプオルガンもこの雰囲気に効果的な作用をもたらしておりナイスなチョイスだ。
筆者は前作のバランス感覚で唸ってしまったので、必然的に前作推しだがこのアルバムもハイ・クオリティを実現、解散が惜しまれる。Great!
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