Darkwoods My Betrothed
Heirs of the Northstar
1STフル(1995)/From:フィンランド/Style:ヴァイキング
【Track】
1.My Eyes Are Frozen
2.One Son of the Northstar
3.Uller
4.From the Snowy Hillsides They Came
5.In a Silent Night
6.Come Fimbulvetr
7.Yggdrasil’s Children Fall
Ⅰ.The Death Of Balder
Ⅱ.A Farewell To The Son Of Odin
Ⅲ.Hermod’s Ride To Hel
Ⅳ.The Bounding Of Loki
Ⅴ.The Final Battle
Ⅵ.A New Heaven, A New Earth
【Review】
韓国の今は亡き”Hammerheart Productions”の一発目の刺客。かつては【Virgin’s Cunt】なる如何わしいバンド名だったらしく、今回【Darkwoods My Betrothed】と名を改めての1ST。何気に【Nightwish】のTuomas Holopainenがキーボードで参加していたりする。
楽曲の方は薄っすらシンセを被せ寒々しく疾走するといった90年代ブラック・メタルにおける基本的な作風だと言えるだろうか。北欧神話やらを題材にしており#3や#7ではペイガン/ヴァイキング的な展開も入ったりする。ヴォーカルも情景に合し、味がある(若干、歌唱力に難あり)クリーンヴォイスで歌いあげてたり、泣き叫ぶように喚き散らすヴォーカルがメイン。アルバムのハイライトはやはり16分ある#7であろうか。北欧神話に纏わる6つの展開で構成され、楽曲的にもこのアルバムの要素がまとまって聴ける総括的なナンバーだ。
シンセやアレンジに取り分けて特別感は無いのだが、ノルウェイ型ブラック・メタルをある程度踏襲した作りであり、押さえるべきツボはしっかりと心得ている感じなのだが、もう少し刺が欲しい気はする。
Autumn Roars Thunder
2NDフル(1996)/From:フィンランド/Style:ヴァイキング
【Track】
1.Autumn Roars Thunder
2.Nightowl
3.When Ancient Spirits Battled
4.The Conspiracy of the Pagan Cult
5.Hymn of the Darkwoods
6.On the Top of the Falconhill
7.King’s Gray Shadow
8.I Burn at the Stake
9.Red Sky over the Land of Fells
【Review】
今作も【Nightwish】のTuomas Holopainenがゲスト参加している。
#1から11分もある大作で勇壮な叙情詩を歌い上げる様な路線で切り込んでくるので、路線が変わった?と少々面を喰らうが、それ以降は概ね、前作の延長線上にある音楽性と言えるだろう。しかしながら、今回のアルバムでは邪悪で攻撃的にせめるスタンダードな側面、勇壮なペイガン/ヴァイキング調に迫る側面と、その比率が半々位の割合となっている。だが、妙に耳に残る勇壮なクリーンヴォイスが大幅に増量した事により、ペイガン/ヴァイキング路線の色合いが格段に強まっている印象なのである。ぶっちゃけ、それを良しとするか否かで評価は分かれると思われる。演奏面に関しては邪悪に走る部分につんのめる様な勢いが感じられ、概ね力強さが上がっておりGood。
前作よりマシになっているとはいえ、歌唱力に問題アリなヴォーカルが心残りだが、それも味なんだ…と捉える事ができれば、なかなか良作かと。
Witch-Hunts
3RDフル(1998)/From:フィンランド/Style:シンフォニック
【Track】
1.Without Ceremony and Bell Toll
2.Inside the Circle of Stones
3.The Crow and the Warrior
4.Dying to Meet You
5.The Witch-Hunts Trilogy Part I : The Preacher Came to Town
6.Part II : Burn, Witches, Burn
7.Part III : Witch Hunters
【Review】
更に【Nightwish】のErno “Emppu” Vuorinenが加入。Tuomas Holopainenも正式にメンバー入りを果たし5人組となる。読んで字のごとく魔女狩りが今回のテーマ。
楽曲の路線は【Dimmu Borgir】の3RD辺りの路線へ切り替えた様である。シンセもシンフォニック寄りになってきたし、メタル的な力強さ、禍々しさが大幅に増え、即効性も十分だろう。ココまで来たらもう”化けた”と言っても良いと思う(笑)整合感、音質、演奏力も含め、大幅にクオリティを上げている。何よりも微妙だったクリーンヴォイスも封印している点は個人的に非常に有り難い。ヴァイキング・メタル/ブラック・メタルの魅力と言うよりかはメタルとしての格を上げた事に成功したのではないだろうか。言い換えればリリカルさと邪悪さの融合が実にヘヴィ・メタル的といった表現になるのかな?まぁ、そんな感じである(笑)雰囲気満載の出だしから爆走に雪崩れ込む#3辺りは文句なしにカッコイイし、#4の中盤辺りではリリカルなギタープレイが聴けたりと今まで以上に大胆である。また、ハイライトである#5-#7における魔女狩り3部作も壮大で聴き応えアリだろう。
3RD以降の【Dimmu Borgir】に理解があるなら、高確率で美味しい音源だといえる。
Dark Aureoles Gathering
Comp(2000)/From:フィンランド/Style:Raw│プリミティヴ
【Track】
1.Enter My Black Dreams
2.Whispers
3.Dark Aureoles Gathering
4.The Diabolical Eve of the Nocturnal Holocaust
5.Intro: “Ritual”
6.Diabolic Paradise
7.Sleeping Beyond
8.Reborn in the Promethean Flame
9.Hordes
10.Christian Child Abuse
11.Forgotten Lands
12.Outro: “My God’s Perversions”
【Review】
過去音源集。【Virgin’s Cunt】と名乗っていた頃に残された2本のデモ音源をまとめてCryonicsなるレーベルから限定250枚でCD化。#1-4が94年発表のデモ音源”Dark Aureoles Gathering”。#5-12が93年発表のデモ音源”Reborn in the Promethean Flame”である。
このバンドも例に漏れず、プリミティヴなブラック・メタルからスタートしているのだが、これが実にカッコイイ。オーソドックスと言えばそれまでだが、掻き鳴らしとトレモロを駆使しドガドガと突っ走る様はアングラならではの魅力に溢れているし、負のエネルギーが迸っている。改名後の路線が如何にリリカルになっているかがよく分かる。こちらの音源集には野蛮で邪悪な要素しか無い。特に94年の”Dark Aureoles Gathering”においてはこの手にすれば音質も良く、楽曲が中々カッコイイ(特に#4がGood!)一方93年の一番古い音源はデモ音源ならではの劣悪な音質でありながら一番極悪でヤケクソ気味な所が熱すぎる(笑)
やはり、初期のデモ音源というのは、このバンドに限らずフィルターを通さない剥き出しの露骨さがある所が魅力なんだと再確認した次第。
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