Enshadowed

Messengers of the Darkest Dawn

1STフル(2002)/From:ギリシャ/Style:メロディック

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【Track】
1.The Beckoning
2.War and Damnation
3.Suicidal Lunacy
4.A Coffin in the Catacombs of Voidness
5.Northbound
6.From a Carnal to a Spiritual Fist
7.Jesus Christ Cage
8.Gospel of Death

【Review】
4人組ブラック・メタル。Black Lotus Recordsからリリースされた。【Burial Hordes】や【Vomit Church】など様々なバンドで活躍するN.E.C.R.O.率いるメロディック・ブラック・メタル・バンド。

暴虐さとメロディが絶妙な匙加減であり、その配合バランスが実に良い塩梅なのである。スウェーデン産のメロブラ勢が演りそうなトレモロを随所で挟みながらも、基本的には禍々しきオーラに満ち溢れた魔人の如くストロングな雰囲気を醸し出しているのがポイント。メロディックとブルータルの中間とでも言えようか(とは言え、割合で言うとメロディック寄り)。

続く2NDでデス・メタル要素の強いスタイルにシフトするのだが、今思えば楽曲の節々にその予兆は朧気に感じられる様な作りになっていたんだなぁ…と再び聴き直して気付いた次第。特に#3”Suicidal Lunacy”がこのアルバムの特性/性質を端的に表している良曲だと思う。

単純にカッコ良いブラック・メタル!

 

Intensity

2NDフル(2003)/From:ギリシャ/Style:ブルータル

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【Track】
1.The Fire Burns… (Intro)
2.Sunya-Bindu
3.Mental Irruption
4.Obvious Inexistence
5.Purity’s Failure
6.Horrenda Nox
7.Requiem of Hatred (Jesus Christ Cage Part II)
8.The Fire Goes Out… (Outro)

【Review】
Black Lotus Recordsからリリースされた。N.E.C.R.O.を除きメンバーチェンジをした2ND。

魔王の如く暗黒オーラに身を包む【Morbid Angel】系の禍々しい雰囲気に満ち溢れたブラッケンド・デス・メタルへと変貌。前作の様なスウェディッシュ・テイストのメロディックさは残ってはいるモノの随分と影を潜めてしまった。瘴気をゆっくりと吐き出すような野太いグロウル、黒いオーラを全開で解き放つ様な堂々とした威厳あるリフ、それに合わせ緩急を付けて叩きつけるブラスト主体のドラミング、まぁ、ほぼ別バンドである。

前作で一応それっぽい予兆はあったモノのここまで振り切って変貌するのは天晴れ。しかしながら、その傾向は前半(#1-#4)で顕著に見られるモノであり、後半(#5-#8)は前作の名残をしっかりと残す楽曲構成となっている。

デス・メタルとブラック・メタル、どちらも好む両刀使いは是非(笑)

 

Magic Chaos Psychedelia

3RD(2013)/From:ギリシャ/Style:ブルータル

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【Track】
1.Stary Throne of It
2.Is Venit Ex Abyssus
3.Black Holes, Death Planets
4.The Scenario
5.Surrealistic Shade of Color Black
6.Dethroned
7.Inner Psy-Trip
8.The Dual Hypostasis of Nihil
9.Magic Chaos Psychedelia

【Review】
10年ぶりのアルバム。Pulverised Recordsからリリースされた。またもやN.E.C.R.O.を除きメンバーチェンジをしており3人組になった。また、各曲でゲストミュージシャンを投入している。

前作の延長線上だが、デス・メタルとブラック・メタルの融合がより自然になった印象。どちらにも偏る事の無いバランスでこれまた物凄くカッコイイ。各要素の美味しい部分が満遍なく一曲に収まっておりナカナカ良い着地を見出せたんでは?といった感じである。尚、スウェディッシュ調のトレモロは今作で完全に無くなっており、私的な感覚ではポーランド産デス/ブラックに近い雰囲気がある様に思えた。前作がガチガチのブラッケンド・デス・メタル路線だったのに対し、今作はしっかりブラック・メタルの領域にあるブルータルさといった感じなのである。

あと、気になる点というか、単なる筆者の希望なのだが…ラストのタイトル曲で中東(エジプト)辺りの異国情緒溢れる神秘的な展開を交えた他とは些か毛色の違う楽曲を演っている。筆者はそういった儀式的雰囲気が大好物(笑)。願わくばこの曲が次回作の布石になってて欲しいと思う。

ともかく、着実にレベルを上げており頼もしいバンドである。Great!