Patina

1STフル(2006)/From:ドイツ/Style:ポスト

geist_ger_1st

【Track】
1.Snow White
2.Wanderer Bei Fels und Fjord
3.Thanatos Phobein
4.Winters Schwingenschlag
5.Norn
6.Patina
7.Jingizu
8.Spätsommerabende

【Review】
2010年に【Eïs】と名を変え活動中のポスト・ブラック・メタル。

【Eïs】と名を変えてからも【Geïst】名義でリリースされたアルバムを2011年に再発リリースされているので若干ややこしい。(ジャケットが違う)少し脱線するが【Crown Of Thorns】が【The Crown】と名を変えた時のパターンと一緒と思って頂けたら良いかもしれない(例えが古くてスンマセン)今回レビューするのは改名前にリリースされた【Geïst】名義のアルバムである。

楽曲の方は一筋縄ではいかない音源であり、とにかくスタイルが幅広い。パンキッシュでノリ良く走りRawな爆走で掴みにかかる#2、日本語で「もう一言だけ良いですか?かっこよくなったよ、ゆうき」(筆者にはそう聞こえる)と、情景と全く咬み合わないサンプリングが逆に怪しさを醸し出すアンビエント風インストの#3、哀愁に満ち溢れた儚く美しいシューゲイザー的なリフでしっとりと聴かせる#4、ガツガツとアタック感強めの楽曲が、【Satyricon】の5TH~6TH辺りを彷彿とさせる#5、ダークなアトモスフェリックさとドゥーミーな邪悪さがしっかりと垣間見れる#6、そして極め付けにオールド・スクールな楽曲で攻める#7等…正に楽曲の数だけスタイルをチェンジする器用なイメージ。正に一言や二言では言い表せない個性的な音源であるが、灰汁や奇をてらった感じも特に無く、個々の楽曲の完成度が高い。当然、邪悪さがスポイルされておらず、純粋なブラック・メタルとして#6辺りはかなり良い。特にゆったりとしたトレモロ・リフが素晴らしく、個人的にこの曲がハイライト。普遍的なブラック・メタルに飽きた時に聴くと案外とカンフル剤になり得るかもしれない。

人によっては散らかり過ぎていると思うかもしれないが、聴いていて最後まで飽きさせない所がGood。推薦盤!