Auf alten Wegen…

1Stフル(2005)/From:ドイツ/Style:Raw│ファスト

graupel_1st

【Track】
1.Heimkehr
2.Saat zieht Zeit
3.Die Notglocke
4.Der alte Weg
5.Requies Filii
6.Soll und Sein
7.Von der Gunst zur Schelte
8.Gluck der Sohne
9.Ein Sterbelied auf Metall
10.Blutend weis

【Review】
元【Nagelfar】や【Endstille】のメンバーを含む4人組ブラック・メタル。

ドカドカと疾走しながら、しっかりブラック・メタルのツボを心得た音源である。適度な展開を設けているモノの基本的には猛然と突っ走るRawでファストな楽曲群がズラリ。アングラ・フィルター(笑)に何回か通したような、篭った音質、洞窟の奥から演奏を演ってそうなエコーの掛かった音と言い、メジャーな連中には醸し出せないアングラ魂を感じさせる。こう言ったマイナス要素をちゃんと逆手に取れているカッコ良い音源だと思う。中々に耳を惹く寒々しいギターリフやスラッシーに刻む攻撃的なリフを盛り込む反面、#5辺りに代表される暗黒ロマンが満ち溢れる叙情的な曲、はたまた展開の妙を見せつける側面があったり、突っ走るばかりでは無い芸達者っぷり。音を整理し音の面だけでもパワーアップをさせると、幅広い支持が得られそうな作品であるが、本人らにその様な意思があるとも思えない。アングラに生きアングラに死んでいく…そう言った変な頑固さや美学がしっかりと感じられる作品である。硬派で非常に強力、そして何よりもカッコ良い。

Rawな演奏、そしてアングラ・フィルター(笑)に理解があるなら推薦盤!

 

Am Pranger…

2NDフル(2010)/From:ドイツ/Style:Raw│ブルータル

graupel_2nd

【Track】
1.Daemonicum
2.Das blutende Mal
3.Schwarze Feder
4.Herkunfte Schatten
5.Kalte Fessel
6.Ekel
7.Entgeistert (Outro)

【Review】
音源を語る前に一つ言及しておきたいことがある…それはブックレットが分厚すぎる!筆者も相当な枚数のCDを所持しているつもりだが、その中でも屈指の分厚さである(笑)厚紙かつ結構ページがあるのでジュエル・ケースからブックレットを取り出す時にスンゲー気を使うし、入れる時に無理するもんだから、擦れて劣化を免れないではないか!…といった仕様なので注意しよう。

さて(笑)音源の方は、前作より随分と改善が図られた様で音の分離が良くなったと言える。しかしながら、クリアになったとは言えず、Rawでアングラ魂も全開なので先ずは一安心と言った所だろう。何よりも音が分厚くなり、キレも増しておりブルータルになった点が大きく変わった。前作にあった様な一部、限定的な暗黒叙情性は影を潜めているし、リフに至っては寒々しさと言うよりかは堂々とした威圧感のある”禍々しさ”を全面に随分と表立ってきた様に思う。相変わらず疾走感はあるのだが、より力強くヘヴィになってきた印象である。展開の妙は今作にも引き継がれているので、決して一本調子で迫力や激走だけのバンドでは無い。何よりも、堂々たる邪悪さを存分に感じさせる素晴らしい音源である。

前作のファンは勿論の事、硬派でカッコ良い音源なので是非。推薦盤!