In the Embrace of Evil

Comp(1996)/From:スウェーデン/Style:デス│ブラック・メタル

grotesque_comp

【Track】
1.Thirteen Bells of Doom
2.Blood Runs from the Altar
3.Submit to Death
4.Fall into Decay
5.Seven Gates
6.Angels Blood
7.Nocturnal Blasphemies
8.Spawn of Azathoth
9.Incantation
10.Church of the Pentagram
11.Ripped from the Cross

【Review】
北欧のデス/ブラック界では有名な絵師”Necrolord”と【At The Gates】の”Tomas Lindberg”(ここではGoatspellと名乗っている)が在籍していた事で知られる。バンドは数本のデモとEP、【At The Gates】とのスプリットを残し解散。このコンピレーションは残されたEPとデモ音源をリミックスして1996年にBlack Sun RecordsからCD化したモノである。尚、禍々しいアートワークは当然”Necrolord”自身が手掛けている。

音の方はブラック・メタルの要素(雰囲気)がほんの少し垣間見れるスウェディッシュ・デス・メタルといった所だろうか。スラッシーに切り込んでいくリフ、時折、猟奇的な展開を聴かせたりするが、音の密度が丁度いい感じの疾走感があるデス・メタルを演っている。高密度でも無いしスカスカでも無く、ホント丁度いい塩梅だと思う。楽曲中、ほんの少しのメロディが垣間見れるモノの、メロデス辺りには至らず、あくまでスラッシュ・メタル的なアプローチで留めており非常に渋くてカッコイイ音源である。また、ドラミングもスタスタと疾走がメイン、決してブラストに頼らない所もスウェディッシュらしさが滲み出ておりGood。Tomasのヴォーカルも相変わらずテンションの高いガナり声でカッコイイ。まぁ、ウチのサイトで紹介するにはブラック・メタル的な要素は最低限だが、やはりこの時代のスウェディッシュ・デス・メタルは非常にクールなのである。

久しぶりに聴いても古臭さは感じないし、スウェディッシュ・デス・メタル好きには普通に美味しい作品であろう。