Hunok
Megrendíthetetlenség
1STフル(2016)/From:ハンガリー/Style:ペイガン
【Track】
1.Bevezető
2.Hadúr
3.Örök körforgás
4.Hajdani harcosok
5.Végcél
6.Blood and War
7.Megtorlás
8.Kivezető
【Review】
結成から16年、満を持して発表されたGábor Zselenczによるブラック・メタル待望のフルレングス。
ドラマーとしてWinterheartなる人物が参加しているが現在は既に脱退している模様。【Satanic Warmaster】のWerwolfが運営するレーベル”Werewolf Records”とカナダの”Tour de Garde”から共同でリリースされた。
因みに”Hunok”とは4世紀頃にヨーロッパを東から西へ遊牧しながら略奪の限りを尽くし、ゲルマン民族の大移動をも引き起こしたとされるアッティラ大王率いる蛮族”フン族”の事を指す。母国が何かとフン族に縁があるハンガリーだという事で極右的な思想があるモノと推測できる。おまけにブックレットにはポーランドの”The Temple Of Fullmoon”をリスペクトしている旨がさらっと書かれており、楽曲も90年代のポリッシュ・ペイガン・ブラックに影響を受けているであろう音楽性だと言える。
さて音源の方は割と渋めを狙ったペイガン・ブラックといった趣で、音的にはじける様な派手さはないモノの戦闘に纏わる野蛮さみたいなモノを何処となく漂わしているのが特徴。引き合いに出すなら初期【Graveland】っぽい路線を想像してもらえれば良いだろうか。
主にノイジーな掻き鳴らしギターによる起伏あるリフが主旋律を担う様な構成であり、そこに暗雲立ち込めるダークな雰囲気を撒き散らすシンセが随所で被さっていく。その様なバッキングの中、Evilなヴォーカルがねちっこくガナリ散らすというスタイルなのでコマーシャル度は限りなくゼロに近い。言うなれば硬派なペイガン・ブラック路線を地で行くスタイルだ。
その手に理解があるごく一部のディープなペイガン・ブラック系のマニアには何かと心をくすぐる逸品であるかと思うし、何よりも地味ながらリフに説得力があったりこの手にしては音質も良好(あくまでこの手にしては)なので完成度は高い。
アルバム中、最も印象深かったのは#5”Végcél”だろうか。冒頭のイントロで使用される太鼓のアクセントが効いており、フン族の軍勢が馬に乗りながら弓矢を放ち、他を蹂躙していく様が光景が脳裏に浮かぶ、言わば戦闘民族の野蛮さがキラリと光る良曲だ。
この様にターゲット層としてはThe Temple of Fullmoon所属アーティスト、所謂90年代ポリッシュ・ブラックのディープなバンド群を好む人にオススメできるのではなかろうか。Great!
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