Hypno5e

Shores Of The Abstract Line

3RD(2016)/From:フランス/Style:ポスト・メタル

hypno5e_3rd

【Track】
1.East Shore: Lanscape in the Mist
2.East Shore: In Our Deaf Lands
3.West Shore: Where We Lost the Ones
4.West Shore: Memories
5.Central Shore: Tio
6.North Shore: The Abstract Line
7.North Shore: Sea Made of Crosses
8.South Shore: Blind Man’s Eye

【Review】
4人組ポスト・メタル。Pelagic Recordsからのリリース。今回初めて聴くバンドで当然素性も全く知らなかったのだが(ひょっとして有名だったりするのだろうか?)、なんとも奇妙な出会い方をした音源。

経緯はこうだ。贔屓にしている某レコード店でしっかり”ブラック・メタル”って書いてあったから、アートワークを見ながら脳内会議で「ああ、ポスト・ブラックの類なのか」と勝手なフィーリングで購入。早速帰って中身を聴くとブラック・メタルとは程遠い音楽性だった…。

いやね、こりゃ店主さんに一言物申すレベルやわ…流石に擁護できない(苦笑)

だけどね、だけれども、これがまた一筋縄ではいかない新進気鋭なプログレ~ポスト・メタルを演っており、内容はかなりGreat!だったので複雑な気分に浸りながら感謝しているし、素直に感動した次第。

さて(笑)その内容だが雰囲気あるアトモスフェリックなパートが続くと思いきや突如として切り込んでくるやたらラウドでガツガツとしたキレの良いポストスラッシュ風モダンリフが入ったり、哀愁漂う感傷的なパートがあったりとかなり変化自在。それに呼応するようにヴォーカルも激情迸る怒号、穏やかで朗々とした歌い方、はたまたアンニュイな感じで歌い上げたり実に様々な感情が入り乱れている。この様に穏やかな側面とラウドな側面の波状展開を特色とするアルバムであり、テクニカルで複雑ながら分かりやすい図式のエモーションを生む。したがって複雑ながら難解であるというモノでもなくスッと胸に染み入るのである。

例えるならアトモスフェリック風味とアコースティックな静寂パートが頻繁に入る【Meshuggah】(最近のは聴いてないが)と無理矢理な表現も出来るかと思う(笑)。これは相当、練り上げたに違いない。調べてみると自ら”シネマティック・メタル”と自称している様で、なるほどなと納得もできた。

今も昔ももっぱらブラック漬けの筆者だが、こういうのも良いね。Great!