Oizys

Hymns to the Furies

1STフル(2010)/From:オーストラリア/Style:ディプレッシヴ

oizys_1st

【Track】
1.Alecto
2.Megaera
3.Tisophone

【Review】
Witchなる女性が独りで演っているブラック・メタル。Dark Adversary Productionsからリリースされた。3曲しか収録されていないが、トータルは30分弱ある。

100%地下臭しかない淀んだ空気感、怨念を撒き散らす様な忌み節ヴォーカル、不協和音を撒き散らしオカルト路線を主軸におきながら、どことなくメランコリックなトレモロを奏でたりするディプレッシヴな音源である。

例えるなら”お値打ち価格で古い豪邸(洋館)を購入、その洋館を清掃中、屋根裏で埃が積もった古いカセットテープを偶然にも発見、好奇心を押えきれず再生し、そのカセットから流れてきた音は「”Hymns to the Furies”(復讐の女神への賛美歌)」だった…”だろうか(笑)洋画オカルト・ホラーのテンプレ的展開だが、何故かそういうシーンが聴いててふと思い浮かんだ次第。

デモレベルの不安定な演奏は勿論、隣の部屋で演奏しているのをラジカセで録音した様な陰に篭った音作り、ぶっ壊れたピアノが寂しげに鳴っている部分だったり、聴いてて不安になる様な展開がてんこ盛り。また、女性(しかも源氏名が魔女)によるヴォーカルという事実がまた余計に不穏なイメージを際立たせている。

総じて呪詛要素が極めて高い闇音源といった趣であり、聴いたら呪われそうな呪怨(もとい呪音)を好むなら是非。間違ってもメロイックサインを突き上げ、頭をガンガン振る様な楽曲ではない。