A Journey In Darkness

1STフル(1994)/From:スウェーデン/ゴシック│ドゥーム

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【Track】
1.A Cry from the Halls of Blood
/ Empire of Lost Dreams
2.Enter the Darkest Thoughts of the Chosen
/ Agony’s Silent Paradise
3.Journey in Darkness
/ Entering the Forest
4.Shores of Kaa-Ta-Nu
/ The Eternal Walk (Part II)
5.A Lonely Soul
/ Hymn to a Dream
6.Little Child of Light
/ Degradation of Holyness
7.Castle of No Repair
/ Lies from a Blackened Heart
8.This Is the Pain Called Sorrow
/ To the Memory of Me
9.I Summon Thee, Oh Father
/ Death Embrace Me

【Review】
元【Abruptum】【8th Sin】の”It”率いるドゥーミーなブラック・メタル。

このアルバムでヴォーカルをとっているのは【Dissection】の故”Jon Nödtveidt”、そしてプロデュース兼、ギター(#1)を弾いているのは元【Edge Of Sanity】の名将”Dan Swanö”。筆者がこの手のジャンルを聴き始めた当時のスター(笑)が揃ってる。

さて、音源の方はこれまた一筋縄では済まされない個性的なブラック・メタルである。一般的なブラック・メタル像とは些か異なり、引き合いに出すなら初期【Katatonia】辺りのサウンド感に近い。(Katatoniaも最初期は白塗りしたブラック・メタルだった)所謂、ゴシック/ドゥーム色が強いブラック・メタルで、曲によっては【Black Sabath】が演りそうなドゥーム・フレーズが飛び込んでくる。また、場面展開も激しくプログレッシヴな側面もあり個性の塊といえるだろう。やはり奇才”It”ならでは、といった所だろうか。完成度に貢献したであろうJon Nödtveidtのヴォーカルも非常に格好良く暗黒を彩り、重みのあるダークな楽曲が不思議な聴き心地を提供する。定番定食系に飽きたら是非。

因みに【Ophthalamia】はコンセプト・バンドであり、Itが創造したファンタジーを題材にしているとか。

※本作は1998年に再レコーディングされており、A Long Journeyと言うアルバムタイトルでリリースされている。ラストに【Venom】のカヴァーがあったり、曲の順番が入れ替わってたり細かな点が変更されているみたいだ。これが3RDに当たるらしい。単なるリマスターかと思っていたので思いっきりスルーした(未聴)

 

Via Dolorosa

2NDフル(1995)/From:スウェーデン/Style:ゴシック│ドゥーム

ophthakamia_2nd

【Track】
1.Intro; Under Ophthalamian Skies
/ To the Benighted
2.Black as Sin, Pale as Death
/ Autumn Whispers
3.After a Releasing Death
/ Castle of No Repair (Part II)
4.Slowly Passing the Frostlands
/ A Winterland’s Tear
5.Via Dolorosa
/ My Springnight’s Sacrifice
6.Ophthalamia
/ The Eternal Walk (Part III)
7.Nightfall of Mother Earth
/ Summer Distress
8.Outro; Message to Those After Me
/ Death Embrace Me (Part II)
9.A Lonely Ceremony
/ The Eternal Walk
10.Deathcrush (Mayhem cover)

【Review】
ギターにJon Nödtveidtの実の弟である”Emil Nödtveidt”(Night)が参戦。ヴォーカルもJon Nödtveidtから元【Marduk】の”Legion”に変わった。エンジニアは安定の名将Dan Swanö。

前作の延長線上でありながら、ドゥーム色が薄れ、より複雑化しプログレッシヴかつアヴァンギャルドさが際立ってきたように思う。反してブラック・メタルらしさは前作と比べ、若干だが上昇した様に思える。とにかく場面展開が目まぐるしく、決してストレート聴けない作風で、随分とメロディアスではあるがキャッチーさは皆無。何処かジャズっぽいリズムも”メタル耳”には素直にノレないだろう。また大作主義な所もあり、10分を超える長尺の曲が何曲かあるのも気持ちよく聴けない要因の一つ。前作同様、不思議な聴き応えで好き嫌いが分かれそうな感じであるが、個性の塊である事には違いない。テクニカルで凄い事を演ってるんだが聴き通すと疲れる。

ラストは【Mayhem】の実にブラック・メタルらしいカヴァー、唯一ストレートに聴けるし、やっぱコレが一番カッコ良かった(笑)

 

Dominion

4THフル(1998)/From:スウェーデン/Style:メロディック・デス・メタル

ophthakamia_4th

【Track】
1.Elishia’s Mistresses Gather
2.Time for War
3.Final Hour of Joy
4.Great Are the Deeds of Death
5.Eclipse of Life (The Eternal Walk IV)
6.A Black Rainbow Rising (Castle of No Repair III)
7.Dominion
8.Legacy of the True (Death Embrace Me III)

【Review】
ラスト・アルバム。メンバーチェンジが激しいが、今回も参加するメンバーはアンダー・グラウンド界の著名人。”Legion”に変わり元【Abruptum】の”All”がヴォーカルを務め、ドラムは元【Dissection】【Deathstars】の”Ole Öhman”(Bone)が参戦。

ドゥーム色が完全に無くなって、メロデス的要素が増大。曲もコンパクトに纏まり、ストレートに楽しめる一般的な作風に変化した。もう、殆どメロデスとして聴いても全然OKな程聴きやすくなったと言える。構えて聴く必要がなくなったのは大きい(笑)ブラック・メタル的要素は皆無だが、普通のメタルとしてクオリティも高く、非常にカッコ良い出来だと思う。最早、初期の面影は一欠片もない。何処と無く初期【In Flames】(2ND)と【Dissection】(なんとなく)の要素を少なからず併せ持つ様な作風だと筆者は感じたが…どうだろう?前作までの流れを期待するとガクっとなるだろうけど、大半のメタラーならコレは大歓迎だろう。

ともかく、筆者のような派手では無い初期メロデス好きならイケる。つまりカッコ良いと言う事である。