The Underworld Regime

1STフル(2010)/From:ノルウェー/Style:ブラック・メタル

Ov Hell 1st

【Track】
1.Devil’s Harlot
2.Post Modern Sadist
3.Invoker
4.Perpetual Night
5.Ghosting
6.Acts of Sin
7.Krigsatte Faner
8.Hill Norge

【Review】
【Dimmu Borgir】のShagrathと、元【Gorgoroth】のKingがタッグを組んだブラック・メタル・プロジェクト。レコーディングには【Enslaved】のIce Dale、【Satyricon】のFrost、【1349】のTelochが参加。なんとも豪華なライナップ。

【Gorgoroth】の内輪モメによるゴタゴタ騒ぎで脱退したGaahlとKingだが、その後、二人は【God Seed】を結成。その際に、このプロジェクトは凍結してしまった様だ。よって現在は活動停止状態。元々はKingが【Gorgoroth】の為に書いていた曲をリリースしたかったというのが、このプロジェクトの最大の理由だったそうだ。

楽曲の方はクオリティの高いシンプルなブラック・メタルである。シンフォニックさを排除した【Dimmu Borgir】にKingが在籍していた時代の【Gorgoroth】を掛け合わせた様な、身も蓋もないそのまんまの印象だ。Shagrathのヴォーカルは特徴があるので何をシャウトしても印象が【Dimmu Borgir】になってしまうし、元々はKingが【Gorgoroth】で使う予定だった楽曲だったから当然と言えば当然か。

丁重なプロダクションでエッジが利いており、ブラック・メタルとしては些かマッチョな印象を残す堂々とした如何にも今時のブラック・メタル・サウンドと言った所である。サウンド・クオリティは高いので安心して聴ける反面、想像通りの内容で別段変わった事をしている訳でもなく、何かに突出した部分が欲しかったのが本音。

シンセや派手なアレンジに頼らない渋い曲作りだと思うし、楽曲も邪悪で荘厳で、何より堂々とした雰囲気も伝わるが、もう一声何かが欲しい。その何かが、何なのかよく分からないそんな部分がもどかしく感じた。

しかしながら、豪華メンバーだからこそ生まれる演奏の安定感、そして存在感は流石。