Quintessence
Le fléau de ton existence
1STフル(2009/2010)/From:フランス/Style:メロディック
【Track】
1.Veines païennes
2.Misère et pestilence
3.Hérétique frénésie
4.Le fléau de ton existence
5.Hymne à l’infamie
6.Colère d’outre-tombe
7.L’extinction de mon âme
8.Les pleurs de l’agonie
9.Errances
10.Veines païennes(Live)
11.Misère et pestilence(Live)
12.Hymne à l’infamie(Live)
13.Crush,Kill,Destroy-Sacofago Cover(Live)
14.L’oriflamme des ténèbres(Live)
【Review】
5人組ブラック・メタル。以前までは【Occulta】と名乗っていたらしく、今作は改名してからの1作目である。尚、今回レビューするのは2009年にNija ArtよりリリースされていたCDに5曲のLive音源を追加収録して2010年にHidden Marly Productionsより再発されたモノ。どうでも良いがバンド名が”Q”から始まる稀少バンド(笑)
さて、音源の方は懐かしい90年代スウェディッシュなメロディック・ブラック・メタルの要素を兼ね揃えたフレンチ・ブラックである。時折、妙にメロデスっぽくなるが、随所に「やっぱりフランス産!」と思わせる”しっとりとした憂い”がキッチリと刻印されている所が特徴。所謂、荒涼感と叙情性、そしてメロウさが同居するトレモロ・リフをメインに、一糸乱れぬ激しいドラミングにてその激情を煽り立てるスタイルとでも言えるかと思う。徹頭徹尾、そういったメロウ路線の一本槍であり、ブラック・メタル本来が持つ邪悪さから少し距離を置いており、どちらかと言えば叙情メロデス寄りの手応え。演奏面に関しては絶対的な安定感があり、限定的にクリーンギターを味付け程度に入れ込み楽曲に緩急を付けてみたり、ヴォーカルも中高音のガナリ声で特にクセも灰汁も無い。そういった面でも非常にマイルドで聴きやすい。若干、”偏った曲のオンパレード”なのが気になるモノの良作には違いない。
【Dark Funeral】の邪悪さを抜き、叙情メロデス風味の濃ゆい味付け、仕上げに仏産のDNAを埋め込んだら出来上がりそうなサウンド。(なんのこっちゃ/笑)
Le bourreau de Tiffauges
2NDフル(2011)/From:フランス/Style:メロディック
【Track】
1.1404
2.L’or à la croix de sang
3.Le brasier des braves
4.Sur l’autel du sadisme
5.Vos Obsecro
6.Carnations
7.L’oriflamme des ténèbres
【Review】
メンバーが一人脱退、4人体制になった。
前作よりか随分と幅のある楽曲が聴ける様になり、メロウさや叙情性といった要素を伸ばしてきた様に思う。ミドル・パートが増量しておりドラマ性を強めたのが前作と決定的に違う部分である。また、叙情性とメロウさがより具現化してきた点も見逃せない。前作ではあくまでトレモロ・リフがメインで叙情性やメロウさを醸し出していたのに対して、今作では随所にゆったりとメランコリックなギターソロがモロに際立っており、各楽曲を彩っている。そう言った側面が強まったことから前作にも増して叙情メロデス要素がグンと上昇したと言えるだろう。しかしまだまだブラック・メタルらしい所も随所で聴けるので、完全に叙情メロデスになった訳では無い。辛うじてブラック・メタルの範疇で語られる音源であろう。また、ミドル・パートが増量した事により緩急も強まり、前作の弱点であった”偏った曲のオンパレード”から見事に脱却したと思う。良くも悪くも全体的にムラがなく、安定した楽曲が聴ける反面、突出した「コレぞ、キラー・チューン!」みたいな楽曲も、見当たらないのは前作と変わらず。まぁ、素直にカッコ良し。
灰汁やクセも殆ど無いので構えず聴ける点では非常に聴きやすい逸品。叙情メロデスからの流れでブラック・メタルに入る入門としては優秀な完成度だと思われる。
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