Superior Enlightenment

The Great Obscurantism

1STフル(2009)/From:カナダ/Style:ブルータル

SuperiorEnlightenment_1st

【Track】
1.Novus Incompositus Seclorum
2.Digital Holocaust
3.Ineffable Winds of Neptune
4.Cesspool
5.Divided They Fall
6.Golden Ratio
7.Not to Be
8.The Burden
9.To Fucking Execrate

【Review】
3人組デス/ブラック・メタル。Mankind’s Demise Recordsからのリリース。尚【Spirit of the Forest】のメンバーが二人在籍している。他には三人程ゲストミュージシャンが参加しており、そのゲスト3人共ヴォーカルを担当している模様。(随所でハモってる)

ブラック・メタルとしては些かラウドかつブルータルな路線であり邪悪と言うよりかは豪快で凶暴なイメージだろうか。ただ、そういった枠に収まらない繊細さも兼ね備えている非常に強力な音源だと感じた次第。

音の方は基本的に喚きヴォーカルと野太いデスヴォイスを組み合わせ、土埃を巻き上げ突進する非常にストロングな耳触りである。腰の据わった力強いリフには荘厳さ、そして何よりも凄まじい緊迫感がある。そこに正確かつ人間離れしたドラミングが組み合わさり一丸となって吐き出される様はまるで濁流の様な豪快さ。

引き合いに出すならズバリ【Zyklon】【Myrkskog】や【Anaal Nathrakh】辺りの感触。

また、要素として味付け程度にインダストリアルなアレンジも若干あったり、突如としてアコギを放り込んだりと画一的にならない工夫が随所で聴けるのが本作のポイントだろうか。#3なんかは絶妙なインダストリアル・アレンジが【Anaal Nathrakh】辺りを彷彿とさせたり、#5にいたっては途中、メロウと言っても差し違いないメロディが聴けたりする。これまた絶妙な塩梅でアグレッションを殺いでしまわない程度の匙加減。ホント、上手い!と唸ってしまう。大前提であるアグレッションと突進力を保ちながら、それらに終始する様な単純さでは無く、しっかりとインテリジェンスな部分を感じさせる素晴らしい完成度。

アグレッシヴなブラック・メタルをキーワードにして音源を探している方には正に打って付けの逸品。文句なしにオススメ。