The Ultimate Sacrifice

EP(1999)/From:スウェーデン/Style:ファスト│トゥルー

triumphator_ep

【Track】
1.Redeemer of Chaos
2.Heralds of Pestilence

【Review】
スウェーデン屈指のブラッカー、【Marduk】【Funeral Mist】のArioch、そして【Malign】にも関わっていたTena、元【Marduk】のFredrik Andersson率いる三人組サタニックなファスト・ブラック・メタル。

音源の方は展開という展開は余り無く、只管に直線的な楽曲で紡ぐファストなスタイルを身上としている。常に休むこと無く、疾走しているが掻き鳴らされる邪悪なギター・リフをどんどん重ねていき、随所にヒステリックかつ気狂いギター・ソロが絡んでいく。そこに絶品のAriochの地獄の咆哮が乗る、甘えた要素は皆無の強力な作品である。また、Ariochが関わっているので曲の冒頭にサタニックなイントロが付いており、この辺は【Funeral Mist】に通じるモノがあると言えるだろうか。一聴した感触では、戦争をコンセプトにしていた頃の中期【Marduk】を彷彿とさせるリフ及び曲調だが、こちらの方は雰囲気にブラック・メタルらしい邪悪なスタンスが感じられ、より本格的である。

たった二曲しか入っていないがどういったバンドなのか一聴して理解できる明瞭さとストレートさがGood。

 

Wings of Antichrist

1STフル(1999)/From:スウェーデン/Style:ファスト│トゥルー

triumphator_1st

【Track】
1.Infernal Divinity
2.Conquered Light
3.Heralds of Pestilence
4.Burn the Heart of the Earth
5.Crushed Revelation
6.Redeemer of Chaos
7.The Triumph of Satan
8.Goathorned Abomination

【Review】
先のEPと同年にリリースされた1ST。尚、2006年に再発されたらしく、(ジャケが違う)そこにはボーナストラックとして前作EPを含む5曲が追加収録されているそうだ。…後出しは強いね(涙)※レビューしているのはオリジナル盤。

EPと曲が被っているが新録されているのでヴァージョンが違いかなりのパワーアップっぷりで随分と良くなっている。前作と比べると一聴して音圧がググっと上がっており迫力が増している。アグレッション=邪悪さといった配分である。当然、邪悪であるといった路線は前作から受け継いでおり、やや一本槍に聴こえたEPよりか、緩急が付いており音楽として確実にパワーアップしている。(前作は2曲だけなのでタマタマだったとも言える)演奏が一丸となって邪悪を奏でており、実に順当かつ正当な進化を遂げていると言えようか。また、邪悪に吐き捨てるAriochのヴォーカル・スタイルはこの頃から既に絶品である。決してコケオドシでは無く、悪魔に魂を売ったかの如く明らかに本気モードである。ベスト・ヴォーカリストの一人としてマニアにしっかりと記憶されるのあろう。【Marduk】【Funeral Mist】と同様、彼の仕事っぷりは相変わらず素晴らしく、彼流のブラックに対する明確なビジョンが確実に形になっているのは一聴して明らかだろう。特に#5のヴォーカル・ワーク辺りなどは顕著に現れており、分り易いのではなかろうか?演奏の方は気持ちが良い程の中期【Marduk】直系であるが、もっと悪魔的要素が強いのも前作同様。やはりブラック・メタルは邪悪で無いとアカン!やっぱり本来あるべき姿はコレでしょ!尚、現在、活動停止中だが、Ariochによると、ほぼ解散状態だそうだ。(リヒターさん情報サンクス!)

と・も・か・く・ブラック・メタラー必須!大推薦。