Vordr

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1STフル(2004)/From:フィンランド/Style:Raw│プリミティヴ

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【Track】
1.Intro
2.Rhythm of the Storms
3.Fury
4.Harvesting the Crop of the Ancient
5.Under the Roots
6.Winter Desolation
7.Fertile Human Waste
8.At Night…
9.Veil of Sorrow
10.The Seed of Thundering Wrath
11.The Usurper
12.Thy Purifying Rain
13.Adept of the Woods
14.To Gaze at the Infinity of Terror
15.Temn Laida
16.Outro

【Review】
3人組ブラック・メタル。Nykta Recordsからのリリース。シンプルながらモノクロームに包まれ自然の厳しさがヒシヒシと伝わる様なアートワークが個人的にツボだったりする。おおよそアトモスフェリックな路線を連想できそうだが、意外にも(?)コンパクトで勢いあるRaw/プリミティヴなスタイルである。

楽曲は少しハードコアっぽい所もあり、アルバムの半分くらいは2分台でかっ飛ばす軽快な楽曲を特色としている。時折、5分位あるスローからミドルの雰囲気ある楽曲をやったりするが軽快なイメージの方が明らかに強い。尚、トレモロを駆使したメロウなスタイルでも無く、基本的には掻き鳴らし中心で攻め立てている。またヴォーカルに若干クセがあり少し情けない声で喚き散らすので、好き嫌いは分かれそうな感じだが、味といえば味だろうか。

節々に【Ildjarn】辺りを思わえる感触があったりするので、影響は少なからずあるだろうし、路線もそう大きくは変わらない音楽性と言えそうだ。まぁ、大作!って感じもしないので、小粒な感じは否めないモノの演奏がシッカリしているのでストレートなカッコ良さがある。

 

2NDフル(2005)/From:フィンランド/Style:Raw│プリミティヴ

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【Track】
1.Fires of Tradition
2.Eyes of Uncaring Cold
3.Itkuraivarit ja itsemurha
4.Before
5.From Ruins to Victorious Triumph
6.Crystal Lakes
7.The Oak and the Rope
8.Pale Wretched Horizon
9.Old Bark
10.Forever North
11.Hibernation
12.Aegolius Funereus
13.White Night

【Review】
森に囲まれた湖のアートワーク、6曲目の”クリスタル・レイク”という曲名…それらを合して見た瞬間、”13日の金曜日”を瞬時に連想してしまうのは私だけでは無いはず。実際にはジェイソンも出てこないし、何の関連性も無いのであしからず(笑)

今回も同じメンツでNykta Recordsからのリリース。

前作より確実にノイジーになっており演奏にRawさがより際立たせている様なプロダクションである。曲の始まりとか終わりには必ずと言っていい程、ギターの残響ノイズがワザとらしく入ってたりするので、おおよそ意図しての事だろうと思われる。まるでガレージ録音したような雰囲気に包まれており、よりラフにそしてアングラ志向である!とワザとらしく訴えたいが如く(笑)

また、全体的に音が低くなっており、前作の軽快さは感じさせず、どんよりとしたミドル・チューンが今作では目立っている。それに伴ってか、コンパクト気味だった楽曲もほんの僅かだが長くなっているのが今作の大きな特徴であろう。

とは言え、短くて1分弱~長くて6分程度の尺なのだが。

ただ、基本的な軸と言うか路線は然程変わっておらず、ハードコアやパンクっぽいノリをぶち込む辺りは前作を踏襲しており、音はより一層アングラ感を強めたが、大きく軸はブレてないアルバムだと感じた次第。

 

3RDフル(2008)/From:フィンランド/Style:Raw│プリミティヴ

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【Track】
1.A Slashing Chill
2.An Ending in Solitude
3.Bliss of Freezing Light
4.Breathing Bellow
5.Charm of Despair
6.Crowns of Snow
7.Devil’s Bird
8.Drama of the Clouds
9.Forest Witchery
10.Forgotten Lair
11.Painting the Night Horizon
12.Stars and Void
13.Steam and Smoke
14.Wisdom & Frustration

【Review】
今作も同じメンツ、そしてNykta Recordsからのリリースされた。

アートワークが大自然をバックに美しい夕日が実に美しいが、今作もまたアートワークから似つかわしくないサウンドであり、騒々しい楽曲で覆い尽くされている。

前作のわざとらしいRawさは僅かだが控え目になっており、音も以前と比べれば整備されている以外、正直目新しい部分はあまりない。相変わらずパンク/ハードコアっぽいノリ(勢い)とブラック・メタルっぽさが適度に合わさっており、あくまでアングラ的に良い塩梅の落とし所を見出した様な作風と言えようか。

以前からそうであったように楽曲がコンパクトな為、大作感やブラック・メタルが本来持っている邪悪な部分があまり感じられない。加えてプロダクションが改善された事によって、より一層カジュアルに聴けるという側面が以前より浮き彫りになっている様に感じた次第。要するにより聴きやすくなっていると言う事である。まぁ、今回も普通にカッコイイ仕上がりである。

しかしながら、個人的にそろそろもう一捻り欲しいところだ。