Förintelse & libido

1STフル(2004)/From:スウェーデン/Style:アヴァンギャルド

woi_1st

【Track】
1.Förlorad
2.Jorden är Satans hora
3.Raping the Hexagram
4.Tribut till självmördare
5.Excrucior
6.Den eviga natten
7.Vid kedjan av kommande år
8.Framtid
9.Dystopia
10.Brutalt mord
11.Missfostret Tellus
12.Bortom tveksamheten
13.Jag Ar En Hora

【Review】
根底にはロリコン(小児愛)といったテーマがあるらしい変態二人組みのアバンギャルドなブラック・メタル。この時はまだもう一人居たみたいだが、既に脱退した模様。

聴き手を翻弄する展開の豊富さが売りだが普通では無い空気感が漂っている。ヘンテコかつポンコツといったキーワードで音源を探している方に正に打って付けの作品である。実にトリッキーであり、ズバリ聴いていて面白い!非常にカオスな世界観であり様々な展開が渦巻いている。ガレージで録音しているみたいなRawな感触が根本にあるのだが、ディプレッシヴだったり、邪悪だったり、激しかったり、ファニーだったり、はたまた優しかったり….聴き手の感情を弄ぶ楽曲の数々。奇を衒うにも程があるってほど、やりたい放題やっている印象である。ヴォーカルも粘着質な声質、時折、ヘロヘロなクリーンヴォイスで高らかに歌い上げたり一筋縄ではいかない。また、様々なサンプリングを散りばめグラインド系の連中がやりそうな手法をブラック・メタルでやっている印象。聴いていて、どう感情をもっていって良いか分からなくなる奇っ怪さがあり、マニア向けだが普通のフラックメタルが食傷気味なら絶対に試してみた方が良い(笑)一聴の価値はある!お耳に合うかは保証し兼ねるが(笑)音で聴くカオスな変態ワールド。

※#12の壮絶なスポークン・ワードで何故か涙が出そうになった筆者であった(笑)

 

Hejdå

2NDフル(2005)/From:スウェーデン/Style:アヴァンギャルド

woi_2nd

【Track】
1.Rationen krymprygg
2.Köld
3.Under färden
4.Kärlek och vänskap
5.Piskar ut mitt hat
6.En förgången tid
7.Det som hände
8.Old Songs (Barry Manilow cover)
9.Sakrament

【Review】
ロリコン・変態さんいらっしゃ~い第二弾。変態度は随分と減ったが、まだまだ何かがオカシイ(笑)

前作と比べ妙な闇雲さや熱いモノが減ったような気がして少々残念。だが、明確にメランコリックな流れがしっかりと芯にあり、確実に的を絞ってきた感じで物悲しいメロディが随分と明確になっている印象を受けた。鬱で絶望的な世界観を表現している・・・様に聴こえる(笑)また、病み度が高くなったボーカルが気狂い世界観を構築しており殆どスポークン・ワードの域に達しており、懸命に何かを訴えている。まぁ前作ほどの幅のある展開は無いが、まだまだ変態の域で留まっているので安心(?)した次第。#9辺りなんかはそれらが顕著に現れている。しかしながら、前作にも増して、音がショボイ。録音レベルが小さく、おまけにスッカスカである。

#8は何を思ったかPopアーティストの”バリー・マニロウ”の気狂いアホアホ・カヴァーがしれっと収録されている。これって確信犯的にコケにしてるよな(笑)

 

Ljuset

3RDフル(2005)/From:スウェーデン/Style:アヴァンギャルド

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【Track】
1.Genever
2.Ett förlorat barn
3.Tankeväckande självömkan
4.Summon the Lord of Blasphemy
5.A Love Story
6.Tvåfaldig vikt är en styggelse för herren
7.Epigram
8.Metamorfos
9.Across the Fields of Forever (Edge of Sanity cover)
10.Kroppen var mitt fängelse
11.Eksynyt

【Review】
ロリコン(小児愛)・変態さんいらっしゃ~い第三弾。

前作の延長線上で作られた腐れメロウな世界観。前作にも増してメロウなメロディが露骨になってきた模様。もう少し頑張っちゃうと、まともになってしまうではないか!(このバンドの場合、まともになってもらうと困る!/笑)でも、まだまだヘンテコ路線を貫いている。殆ど、スポークン・ワードと化したヴォーカルも前作とほぼ同じ流れだが、時折、トラディショナルなメロディが出てきたりするし、比率こそ減ったが相変わらず変なサンプリングを盛り込んだりしている。また、今作では少し柔らかい感触が増している様に感じた次第。例えるとゆったりとした柔らかいディプレッシヴ音源(?)といった感じであろうか?最後まで通して聴くと少しダレるが、今作は彼ら流儀の腐れメロウ音源が成熟したと言えるだろう。

#9は同郷のメロデスの最高峰(だと常々筆者は思っている)【Edge Of Sanity】のカヴァーである。

 

Hamptjärn

4THフル(2007)/From:スウェーデン/Style:アヴァンギャルド

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【Track】
1.Elvira
2.Väsendet
3.Iakttagen
4.Likgiltig
5.Avgrund
6.Stilla
7.Första augusti
8.Ending Existence
9.World of Lost Innocence
10.Älskog på olika villkor

【Review】
ロリコン・変態さんいらっしゃ~い第四弾。

今作はプロダクション面でのクオリティ・アップ、引き換え変態度は大幅に減退。変なサンプリングが無くなったのが原因かもしれない。一聴して、まとも(?)になってしまった印象である。腐れメロウから普通にメロウになった感じであろうか?取り敢えずはヴォーカル以外は随分とまともになったと言える。まぁ、ヴォーカルの気狂いさは全く変わってないので安心したが(笑)それにしても前作よりメロウさがワンランク程、格調高く進化しており、お上品なレベルまで達している(笑)上品で気品あふれるメロウな楽曲に実に胡散臭い気狂いヴォーカルが乗るのだが…まともになったとは言え、やっぱり変態である。まだまだ、あらゆる角度から聴いても変態度はしっかりと感じられると思う。ヴォーカル然り、楽曲に漂う上品さ然り。

まぁ、1STの頃に比べたら随分とまともになったんだが。

 

Hopplös Väntan

EP(2008)/From:スウェーデン/Style:アバンギャルド

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【Track】
1.Labrador
2.Backenvägen
3.Karnevals
4.Törnrosasömnen
5.Snår & skare
6.Taken
7.Darkness And Death(Gaggenau Demo)

【Review】
ロリコン・変態さんいらっしゃ~い小休止のEP。

約30分の尺。前作の延長線上にある楽曲に変態ヴォーカルが乗る。う~ん、流石にちょっと飽きてきた(笑)と言うか今作は冴えてない様に思う。今回は曲によっては荘厳なパイプ・オルガンが大活躍する位で内容は前作と同様、変態度は据え置き。若干、ネタ切れ感が否めない(笑)相変わらず、べらべら喋りまくるヴォーカルが変態さを醸し出している。ホンマ、何を訴えているんだろう?と毎回思う。

因みにCD盤の最後には2000年のデモから一曲収録されている。

 

Förlåt

5THフル(2011)/From:スウェーデン/Style:アバンギャルド

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【Track】
1.För-låt
2.Förbjuden frukt
3.Mörkrädd
4.Walking in the Air
5.Slicka fitta
6.Underbart
7.Gånglåt från Valhallavägen
8.De vilda vågornas piran
9.Ursprung
10.Våt ängsmark
11.Untitled

【Review】
ロリコン・変態さんいらっしゃ~い第五弾にして最終章。これがラスト・アルバムである。そしてジャケは安定のNecrolord!(北欧メタル界で有名な絵師)そして、1STに居てたメンバーが戻ってきた模様(笑)

オルゴールから始まるインストから赤ん坊の笑い声へリンク。いくらなんでもロリコン過ぎるだろとツッコミを入れた所で、始まるやたらと透明感あるクリスタル・メロウな旋律。トレード・マークである変態ヴォーカルが絡み、突如として挿入される高らかに歌い上げるクリーン・ヴォーカル!美しくもクリスタル・メロウさが大爆発している。思えば腐れメロウから始まり、リリースを重ねる度にクオリティを磨き続け、最終的にはクリスタル・メロウへと見事に昇華されていったのであった。また、今回はやたらとクサいのが特徴であり彼らのアルバム中でも一番ヘヴィ・メタルしているのである。#5辺りはもうメタル的メロウさが凄い事になっている(笑)加えて、シンフォニックといっても過言ではない大仰な展開を含む楽曲など、レパートリーを惜しげなく披露した感じで、最後に相応しい集大成的な内容となっている。

#10は26分ある、恐らくスウェーデンのヒット(?)POPメドレー(笑)まるでチャンネルをガチャガチャと選局するかの如く、数秒単位で短く切り貼りされた、多種多様なPOPが掛かるのだが…スウェーデン人なら馴染み深い懐メロの数々なんだろうか?スマンが何一つ知らない(笑)…しかし26分もやる必要ある?いくらなんでも長すぎる。多分、真面目に聴いてたら100曲位聴かされる羽目になる。。

苦難の先にある#11は”アカペラ”である。とにかくアカペラで〆る(笑)結局、最後まで変態だった(笑)