Purge

1STフル(2016)/From:フランス/Style:ドゥーム│スラッジ

【Track】
1.Cour martiale
2.Mâchefer
3.Roy-Vermine
4.Étouffoir
5.De guerre lasse
6.Girone della merda

【Review】
4人組ブラッケンドなスラッジ/ドゥーム。Throatruiner Recordsから500枚限定でCDリリースされた。後から知ったがBandcampもあるそうだ。

実のところ予備知識無くリチュアルな路線(所謂、アンビエントやアトモスフェリックな要素のある)を勝手に想像して購入した作品なのだが、割と攻撃的なところが全面に押し出されており、どんよりとした暗黒スタイルと体育会系が合わさったようなスタイルで展開。

ザクザクとヘヴィなリフを刻みつつも、どんよりとスローに落とす所はキッチリ落とし、楽曲によっては限定的にモッシュが捗りそうなパンキッシュなパートが切り込んだりする。よって根っ子はスラッジ・コアの範囲にあるサウンドだと言える。これがまた地味にカッコ良い。

個人的な感性で言えば【Celtic Frost】+【Eyehategod】といった所か。

苦しみながら阿鼻叫喚に喚いているけど根っ子では怒ってそうなヴォーカル、特に攻撃的なリフから一転して鉛のように重苦しくじわじわ沈み込む圧殺パートに繋いでいく様は実にドス黒く格好良いのである。やはりこの圧殺パートこそがこのバンドの肝であると個人的には思うし、ドス黒き負の重力が下へ下へと働き押しつぶされそうになる事請け合いだ。ゲームネタで申し訳ないが”FF”の黒魔法「グラビデ」を食らってる感じと書けば伝わる人には伝わるだろうか(笑)

伝統的なブラック・メタル的要素はあまりないが、逆にイマドキの先鋭的ブラック・メタルがスラッジ・コアから取り入れている様な要素で構成されたスタイルなので、ブラック・メタル畑の方も良い感じで聴けるのではと思われる。但し”ブラッケンド”であるという点に留意して頂きたい。あくまでベースはスラッジである。

40分満たないランニングタイムも好印象だし、個人的には気に入った次第。