Planet ZOG – The End

1STフル（2002）/From:フランス/Style:ブラック・メタル

Ad Hominem 1st

【Track】
1.Invocation of Madness / The Art of Schizophrenia
2.Planet ZOG
3.Auschwitz Rules
4.The Psalmody of Sub-Humans
5.WWIII
6.Wolf Power
7.Delirium Tremens
8.Soldiers of Wotan
9.The End

【Review】
Kaiser W.による独りブラック・メタル。後にドラマーを正式に加入するが、この時点では独りで演っている。

ブラック・メタルとして非常にストロングな印象で、ドカドカと砂埃を上げながらワイルドに疾走するイメージである。寒々しい展開や荘厳な印象は無く、あくまで攻撃力高めの暴虐的な作風だろう。こう書くと闇雲に爆走する制御不能な音源（笑）と言ったイメージで誤解されそうだが、緩急の付け方が非常に上手く、一本調子な印象は全く無い。しかも一曲一曲しっかりと個性がある。ブルータル・ブラック・メタルになる一歩手前で踏み留まっている様な音だ。しっかりとダークさを保ちつつも力強く、バランスの良い無骨な音が非常にカッコイイ。

この音源に関しては全て独りでやっているとの事だが、バンドで演っている様なグルーヴ感も出ているので地味に凄いと思った。

 

A New Race for a New World

2NDフル（2003）/From:フランス/Style:ファスト

Ad Hominem　2nd

【Track】
1.Closing Ranks
2.Nuclear Black Metal Kampf
3.Ad Hominem
4.Ritual of the Depraved
5.Arbeit macht tot
6.The Dithyramb of Sadism
7.Slaughter the Pope
8.Will to Power
9.On Your Ruins We March

【Review】
前作からドラマーを投入。二人体制になった。

音源の方は力強さから一転、ブラック・メタル的要素が大幅にアップ。ワイルドさが控えめになり、前作の無骨に感じた側面がブラック・メタルらしい邪悪さに置き換わった印象である。もう、コレは無条件にカッコイイ！（笑）ドラマーが加わったことによる恩恵が相当デカいと思う。Rawで人間味に溢れ、雪崩れ込むパートとか迫力満点だ。また、ヴォーカルのKaiser W.も、非常に良い仕事をしており、血管ブチギレ絶叫で聴き手を煽る。オールド・スクールな側面も覗かせたり、一曲一曲の個性が際立っている部分も相変わらずでブラック・メタルとして非常に良い音源だと思っている。

聴き手を煽りまくる音源であり、個人的に大推薦盤。こりゃ、テンション上がるわぁ～

 

Climax of Hatred

3RDフル（2005）/From:フランス/Style:ファスト

Ad Hominem 3RD

【Track】
1.Loading Genocide…
2.Climax of Hatred
3.As I Long For…
4.The Upper Art
5.Death to All
6.Join or Perish
7.My Loudest Scream of Hate
8.Achtung!
9.Crypt of Fear (Mysticum cover)
10.: D / S / R :

【Review】
前作のドラマーは早々に脱退、再び独りになった（笑）今回はゲストドラマーを呼んでの3作目。

今作では再び1STの路線を更に推し進めた印象である。よりメタリックでキレが増し、無骨さが再び戻ってきたがブラック・メタルとしては数歩後退した感じがする。まず刻みリフが多くなったのと、突発力のあるブラストを多用、ヴォーカルの声質が野太くなったのが主な要因だろうか。一般的に”垢抜けて洗練された”と好評価されそうな音だが、生粋のブラックメタラーにはマイナスに転じているかと思われるが、どうだろう？（笑）少なくとも筆者にとっては若干、残念な進化だった。とは言え、あくまで【Ad Hominem】のアルバムとして比べただけの話で良質でカッコイイのは間違いない。

アルバムタイトル【憎悪のクライマックス】と示した通りの音である。